「躍動感と映画の歴史の過渡期」バビロン スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
躍動感と映画の歴史の過渡期
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良かった点
・音楽と映像美の融合
・映画製作の困難さが垣間見える
悪かった点
・テンポの良かったストーリー展開が終盤にかけてやや悪くなっていく
・ストーリー中身もわりとありがちな展開
(ただ、無秩序で幻想的な世界観と時折見せる血なまぐさいリアルさの併設は評価すべき点)
本作はハリウッド「映画村」を舞台に無声映画から有声映画への転換点における群像劇。
インスピレーションで当時の映画業界に革命を起こしていく「シンドバット」ことプロデューサーのマニー。
恐れ知らずだという周囲の評価とは裏腹に常に頼れる「何か」を求め、彷徨いながらスターダムへとのし上がる「マイフェアレディ」こと女優ネリー。
サイレントからトーキーへの転換と共にもはや自分の時代ではなくなったことに直面し、苦悩する
「はだかの王様」こと俳優ジャック。
この3人の主人公の視点を中心に、妖艶で聡明なチャイニーズ系アメリカ人の字幕製作者や音楽家としての確かなブライドをもち、乱痴気騒ぎな宴会でも平然と演奏するジャズトランぺッターなどを巻き込み、映画の歴史の転換点を観測できる良作。
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