「期待し過ぎたかも…」バビロン ストレンジラヴ氏さんの映画レビュー(感想・評価)
期待し過ぎたかも…
「ジャック、マニーだ。すべてが変わるぞ」
うーん、やや期待し過ぎたか...?
とにかく言えることは、チャゼル監督は長いイニングを投げられるようになった方がいいということ。つまりはペース配分。
「ラ・ラ・ランド」でもそうだったが、伝えたい想いが強過ぎて最初に全部持ってきてしまうから後が続かない傾向が本作でもまだ遺っている。
言うなれば本作はチャゼル版「雨に唄えば」だし、或いは「雨に唄えば」の撮影秘話をチャゼル流で描いたフィクションでもある。
だからこそ素直に結末まで進んで欲しかったし、「策士策に溺れる」感が強い。如何せん捻り過ぎた。
あとは時代の流れだからやむを得ないのかもしれないが、現代のポリティカル・コレクトネスを差し込んだ場面が各所に目立って、「狂乱の1920年代」の空気にイマイチ感情移入しにくかったことも付しておく。
現代劇ではないのだから、そこは当時のモノサシで描くべきだったのではなかろうか?
「"現世"では忘れ去られても、天使や亡霊と共にあなたは"永遠"を生きるのよ」
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