「わざと汚く描いた理由は?」バビロン 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
わざと汚く描いた理由は?
賛否両論を巻き起こしているデイミアン・チャゼル監督の新作。怖いもの見たさもあったが、観終わった感想としては、全くの失敗作だったとしか言いようがない。
なぜこの題材を選び、何を描こうとしたのか?わざと汚く描いた理由は?パゾリーニやマカヴェイエフの真似をしたかったの?
マーゴット・ロビーは頑張っていたが、登場人物がみな薄っぺらで深みがない。あえて言えば、黒人トランペッターと中国系の謎の女の存在に現代性を感じさせるが、本筋とうまく絡んでいかない。そもそも筋らしい筋はないが…
チャゼル監督の前作「ファースト・マン」は、世評は低かったようだが、人間がしっかり描けていて、イーストウッドの後継者になり得る才能だと思っていたのに。
このような凡庸で低俗な作品を世に出してしまった以上、次回作は余程頑張って、何とか挽回してほしい。このまま消えてしまうのは、本当に惜しい。
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