劇場公開日 2023年2月10日

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「これまで映画に携わってきた、すべての人々に対する監督なりの称賛、監督の好みを詰め込んだ作品」バビロン スクラさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これまで映画に携わってきた、すべての人々に対する監督なりの称賛、監督の好みを詰め込んだ作品

2023年2月22日
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冒頭の品の無い部分を除けば、けっこう好きな作品だった。
ちょっと下品なラ・ラ・ランドwithout ミュージカルって感じの映画。

予告編でも流れているオレンジの色合いが強くて、印象的なBGMのあのシーンが
当時のハリウッドの光、まばゆくて、人々を蠱惑するハリウッド・ドリームのイメージを具現化しているようだった。

Roaring 20s(狂騒の20年代)と称された20年代のハリウッドを舞台にジャック、ネリー、マニーの3者の物語をメインとして
ストーリーが展開されていく。
この3者は実在した人物の要素をいくつか取り入れているようで、彼らが狂騒の20年代のハリウッドに生きて、翻弄された数多の人々のアイコンのように感じられた。

本作、アメリカでは不評で、国内でも賛否両論に分かれているけど、私はむしろそれこそまさに映画ってもんだと思う。
それに『ラ・ラ・ランド』や『セッション』である程度の地位を手に入れてから、
自分が表現したかったものを詰め込んで、でき上げったのがこの作品なら、監督として敏腕。
もしかしたら、映画でも扱われたように常に娯楽産業として、多くの人々を飲み込んでいったハリウッドそのものに対する
皮肉も込められているのかもしれない。
「過去作の功績がなきゃ、注目しなかっただろ?ビジネスとして見向きもしなかっただろ?」と。
ハリウッドの産業界そのものには皮肉を込めつつ、この歴史に携わってきた1人1人には賞賛の意を込める。
そんな映画だった。

スクラ