「「最悪に汚いもの」も含めて人間だ」バビロン きょんさんの映画レビュー(感想・評価)
「最悪に汚いもの」も含めて人間だ
舞台は、無声映画からトーキー映画へと切り替わる激動の時代のハリウッド。
前半は狂乱の時代を描き、テンポ良く爆笑も誘う。
ともかく音楽がいい!踊りたくなるような音が全編にわたって映画を包んでいる。
「この規模の人数を動員してワンカットで撮ってるの!?」と驚かされるシーンもしばしば。
何回も撮ったの??一発撮り??
さすがあのララランドの高速道路のシーン撮った監督だよ…と驚嘆させられる。
「いま何を見させてられてるの?」と笑ってしまうようなシーンも。
ドラッグ、セックス、糞尿、嘔吐、そんなものも描くものだから人によっては目を背けたくなるかもしれない。最悪、と評する人の気も分からなくはない。
ただ、それら「最悪に汚いもの」も含めて生々しい人間の有り様を描いているんだと感じた。
後半、「スターとは何か?」というテーマが提示される。
これは何かしら栄光の一端を掴んだことのある人には胸に迫るものがあるんじゃないだろうか。
万人にはおすすめしないが、私は映画館で観てよかった。そういう作品だった。
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