「サイレントからトーキーへ。」バビロン ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
サイレントからトーキーへ。
映画好きなら元気もらえるんじゃないって僕には思えたんだけど…。どうですか?
ジャズエイジに生きた刹那的な映画人たちの乱痴気騒ぎ。馬鹿馬鹿しくて醜悪なんだけど、あれはあれで僕は楽しめた(常識なんてぶち壊せてか)。舞台俳優対映画俳優、上流階級対映画人、クラシック音楽から見たジャズミュージシャン。
そして、時代はサイレントからトーキーへ。映像と音声を同時に収録するために起こるさまざまな問題。それは当然、演じる側にも起こる。サイレント時代に人気絶頂期を迎え、トーキーへと移り変わる時期に落ち目になっていく大物俳優ジャック・コンラッド(ブラッド・ピット)、サイレント時代に彗星のように現れ、時代の寵児(?)になるが、声と素行、性格に問題ありであっという間に落ち目になる女優ネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)、何にもなしからコンラッドの雑用係(これだけでもスゴい)、トーキーの波にも乗って映画製作会社の重役にまで上り詰めるメキシコ移民(スペイン出身てことにしてたな)のマニー・トレス(ディエゴ・カルバ)、この二人が成り上がっていくサマは傑作、痛快、感動もん。花火のようにキラキラ輝き、それも束の間、儚く消えていく二人(映画人)。
デイミアン・チャゼル監督の映画愛、ジャズ愛溢れる映画でした。