「ハリウッドがちゃんとして行く様」バビロン カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドがちゃんとして行く様
乱痴気パーティ、裸、ゲイ、ドラッグ、排泄物、死人をバンバン映し出す下品で悪趣味な描き方ではあったが、面白ければ何でもありだった時代から白人知識層が幅をきかせ優等生のようになって行く映画業界を、サイレントからトーキーに移り変わる端境期のハリウッドを舞台にメジャー俳優とダイナミックな音楽で演出した意欲作で、時代の変化や見えない何かへの配慮に対応できずに歴史の裏で消えて行った者たちのお話。
少し大げさとも思える自主規制により、面白みやリアリティがなくなった最近のテレビ番組とダブって見えたが、監督のデイミアン・チャゼルもそういう風潮への皮肉と反発からエゲツない映像を敢えて見せたのではないかと勝手に思ってる。
ピンクのレインコート着て歌わされるジャックや顔を黒く塗らされるシドニーは見ていて辛かった。
下品で奔放なアバズレのネリー役はマーゴット・ロビー以外にはない程ハマってたと思う。
ラストでマニーが映画館に入り、当時の最新映画を見ながら過去を思い出し泣くシーンは、しっかりとした助走が足りなかったためか共感までには至らなかったのが少しだけ残念だった。
著作権の関係上?消されてしまったマーゴット・ロビーのセリフが何だったか気になった。
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