劇場公開日 2023年2月10日

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「映画製作に携わっている人々が、誰も幸せそうに見えないのはどうしたことか?」バビロン tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画製作に携わっている人々が、誰も幸せそうに見えないのはどうしたことか?

2023年2月10日
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いくら自由奔放な「野生児」とはいえ、自分を変えようという努力もせず、ドラッグやギャンブルに溺れていく女優には、まったく共感できない。
そんな彼女を一途に愛し続けるプロデューサーも理解できないし、落ちぶれた大物俳優の最後の選択も腑に落ちない。
黒人ミュージシャンのエピソードも取って付けたようだし、3時間もかけて大騒ぎした割には、何が言いたいのかよく分からなかった。
特に、ガラガラ蛇を巡るドタバタとマフィアに金を渡すくだりは、やり過ぎ感が強すぎて、かえってシラケてしまい、その必要性が感じられなかった。
そもそも、「映画愛」が中心的なテーマであるはずなのに、映画の製作に携わっている人々が、ことごとく悲しい末路をたどっていき、誰も幸せそうに見えないのはいかがなものだろうか?
これでは、とても、ハリウッドに魅力を感じることなどできないし、むしろ、その魔窟のような猥雑さや、ハリボテのような空虚さばかりが心に残るのである。

tomato