劇場公開日 2023年11月10日

「“いなくならないから“」正欲 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0“いなくならないから“

2024年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

温度低めのラブストーリーだったけれど、吸引力は強かった。

この世の現実の世界を、
生きて行くことが難しい・・・
生きづらい・・・
そう感じている多くの若者たちに
観てもらいたい映画。

ショッピングモールの契約社員の夏月(新垣結衣)、
中学の時に転校して行った佐々木佳道(磯村優斗)、
2人は、“水“で儚く繋がっていた。
2人は10数年ぶりに再会する。
友人の結婚式で、
そして、
家でむしゃくしゃした夏月が車を河原にぶつけた時、
通りかかった佳道、
佳道はホームセンターで自殺一式を買い揃えていた。
自殺する決意でいた、
思い出話しをするうちに、
2人の共通項・・・
中学生の時、蛇口を壊して、水を噴射させて、
大目玉を食らった思い出、
2人には水飛沫に、心を開放させる性癖・・・
(その共通項を再確認するのだった)

抑圧した自我を解放するのが、

水しぶき、
水のほとばしり、

2人は水フェチ、と言う共通言語があった。

夏月と佳道の生命は、
固く絞められた蛇口に閉じ込められた“水“だった。
その狭いトンネルの中だけが息の吸える世界

2人が再び出会うことで蛇口を開け、
生命は息を吹き返し、
新しい居場所を見つける。

ある事件が起きる。
2人を引き裂く試練のような事件。

夏月は呟く、
きみの世界から、
“いなくならないから“
私の世界から、
“いなくならないから“
もう決して、
“いなくならないから“

呼吸のように必要な君
呼吸のように、私たちは必要
探していた“片割れ”なのかな?

愛することを欲する
夢見ることを欲する
自分であることを欲する
あなたがあなたであることを
欲する
それが“正欲“?

ラストに掛かるVaundyの「呼吸のように」
凄く内容を把握してマッチしている。

だけど、こんなに前向きに、ひたむきに、力強く
夏月と佳道は“求め合う”のだろうか?

ちょっと温度高めで、戸惑う

琥珀糖
マサシさんのコメント
2024年3月24日

言いたい事分からなくなるくらい登場人物が多すぎますね。ねらいは良くとも的が多すぎると思いました。

マサシ
Mr.C.B.2さんのコメント
2024年2月22日

「サムライ」への共感ありがとうございます。
さて「正欲」ですが、夏月が車をぶつけた時は自殺しようとしていたのです。その前のシーンで自分でエアバッグを取り外していました。そこで自殺を決意して買い物をしてきた佳道と会い、死のうと思った同志で二人の距離は一気に縮まるのです。
私は、そう解釈しました。
「正欲」のレビューをアップしましたので一読して頂ければ幸いです。

Mr.C.B.2