劇場公開日 2023年11月10日

「これが王道の恋愛映画と括れる時代までどれくらいの月日が必要なのだろうか。」正欲 葉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これが王道の恋愛映画と括れる時代までどれくらいの月日が必要なのだろうか。

2023年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

非常に有意義な2時間強だった

現代的なメッセージ性が非常に強い作品だが、まず「物語」として純粋に楽しめた。
終盤の検事×夏月の静かで熱いバトルシーンに見事に凝縮された本作のテーマが
斧で殴られたのではなく水のように身体に(脳に)スーッと入り込めた感覚が素晴らしく
鑑賞後は清々しい気持ちになれた。
勧善懲悪な描かれ方ですが、検事は別に悪(意のある)人では無いんだよな、、、そこはもどかしい。

事実、無性愛者が世の中には非常に少ないが(当方、否定的では無いので悪しからず)
そのような人が中学のクラスに2人もいること、その2人がお互い同じ人種であることを認識できていることがまず奇跡に等しい
その2人が大人になり再会して、手を組む選択肢をとったこと、お互いがかけがえのない存在となったことは奇跡中の奇跡
ただ夏月と佳道、お互い恋愛感情が生まれないのを最後まで貫かれていたのは良かった。

私は本作をひと言で申し上げると「素晴らしい作品」だと思いました
しかしそれはガッキー×磯村くん という誤魔化しようのない顔立ちの綺麗な御二人が演じているから
作品が美しく思えるように感じます。まあ映画はエンタテインメント作品ですからね。
これが等身大の俳優さんでしたら傍観モードになってしまっているかも。
あとビジネスとして成立しないと思いますから正解です。

褒めてるんだか貶しているんだか分からないレビューですが
間違いなく観て良かった。あとVaundyと気付かず聞いていた主題歌が良かった。
さすがVaundyと思った。

もう一度言うが、
これが王道の恋愛映画と括れる時代までどれくらいの月日が必要なのだろうか。

葉