「もっと尖ってても」正欲 maさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと尖ってても
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かなり期待していましたが、踏み込めていない印象。
でも東野絢香さんの演技は抜群によかったし、楽しめました。
フェチなのですが、趣味嗜好を理解できるできないは少なくとも誰しもがあるはずです。水で性的興奮をすることがどのように孤立を生むのか、全くわかりませんでした。また夏月(新垣結衣)と佐々木(磯村勇斗)の中で性的接触は重要だと私は認識していました。特に夏月は、オープニングの自慰行為や佐々木宅の電気が消えた瞬間に鉢植えを窓に投げるほどの嫉妬と喪失感だったのですから。
これが疑似家族になって、初めて受け入れるシーンはかなり重要な転換点と期待していましたが、ぼやかされたようなほのぼのシーンで残念でした。間口を広くするために、あんな感じになったのでしょうか。
一方、東野絢香演じる神戸八重子の男性恐怖症の葛藤は理解できましたし、男性に対しての身の乗り出し方はこっちも手に力が入るぐらい見事でした。
また上記2組のテーマは似ているんですが、稲垣吾郎演じる寺井啓喜の家族がそこまでの話かと疑問でした。水と同様、子供がなぜ孤立しているかが抜け落ちているので、寺井だけではなく奥さんにも要因(片付けするよりパックしながらレトルト、若い男性を昼間に入れる、明らかに父親に畏怖しているのに無理やり言わせる等、結構無責任な酷い描き方)がありそうで、オチが少し空振った印象に。
原作小説で補完しないとダメなのかな。
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