「たぶん普通じゃない趣味嗜好を持つ側の者ですが」正欲 ボンボンのんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
たぶん普通じゃない趣味嗜好を持つ側の者ですが
寺井検事の言うことは、間違いではないんじゃないかと思います。
人間の皮を被った悪魔も実際おりますし、
学校には行くべきと思ってます。
どんな理由で学校に行きたくない、については触れてませんでしたが、
「趣味嗜好が違う人」(夏月たち側)と
「義務教育を受けない」は
ちょっと話の構成としてレベルが違う気がします。
普通じゃない自分に苦しむ人と
普通じゃない自分たちに酔う人の違いを感じました。
寺井検事、
決めつけも多く、マイノリティを刺激する発言は多々みられましたし、
終盤の嫌疑に関しては「おいおいっ」て思いましたが。
私事になりますが、
「ある物」が異常に好きになってしまうフェチです。
詳しくはここには書けないのですが、
小4の時に、それに気がつき、
(寺井の息子と同じ年齢)
自分はおかしいのではないかと悩みました。
大人になったら、無くなると思ってましたが、今も続いております。
墓場まで持っていくつもりです。
フェチだということで誰に迷惑をかけてる訳でもなく、
指弾されることではないと思います。
たぶん、カミングアウトしても「別にそんなに後ろめたさを感じる程のものではないでしょ」と思われるかも知れませんが、問題はそこではないのです。
肉体そのものよりも、その対象物に性的興奮を感じてしまう事実が、恥ずかしくて知られたくないのです。
内容によっては弱みになって搾取される危険だってあるかも知れません。
カミングアウトされた側ならどう返していいかわからないず気まずくなると思います。
それに誰かに話したところで、自分の煩悩は消えないこともわかってます。
そんなリスクを背負うぐらいなら、黙っていた方が良いと思います。
劇中の夏月も佳道も大也も、そうなんじゃないかな、と観てました。
とはいえ、同じ趣味嗜好の人に出会うと嬉しいです。私も、ネットで見つけた時は嬉しかったです。佳道たちのように、交流しようとしたことはありませんでしたが。
「観る前の自分には戻れない」が、この映画のキャッチフレーズでしたが、鑑賞後も自分の中では変化はありません。
ただ、フェチについて改めて考える機会になりました。