劇場公開日 2023年1月20日

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「なんとも☹️」ヒトラーのための虐殺会議 アキよりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なんとも☹️

2024年6月21日
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怖い

ナチスドイツが、いかにしてユダヤ人を殺害してきたか?
証拠となり得る、当時1942年のベルリンの高級住宅地、ヴァン湖畔で行われた「ヴァンゼー会議」です。記録に残る実話ベースで描かれている。

出席者は15名のナチス・ドイツ政権の高官で、会議の時間は90分くらい。

ストーリーは、会議中の会話劇となんともシュールな作品です。

が…ユダヤ人を如何に根絶やしにするか、ドイツ人の兵士の負担をどう減らすかと言う内容を真剣にかつなんの躊躇なく話合っているのが、恐ろしい。

当時のドイツ人は本当にユダヤ人が悪で、ヒットラーが正しいと信じて止まなかった事が伺える。

中盤内務省次官のシュトゥッカートという人がいます。彼はもともと法律家です。混血のユダヤ人はどうするのか?と会議をちょい複雑な方向に持って行くので、この人は少しでも救いたいと言う気持ちがあるのか?と思って見ていましたが、終盤で個室に連れて行かれて個人的な会話を交わした後から、何も無し感が凄かった。

銃殺は、弾必要、ドイツ兵が心身喪失状態になってしまう為に、ガス(殺虫剤)を使って殺して行く案がそれなら効率が良いと全員賛成する。

いかに効率的に経費を押さえて大勢人間を殺せるか?
もう狂ってるとしか分からない域になっている。
頭の良い人格者だと思ってしまう口調で冷静に話し合っているのが、ホラー映画より恐怖でした。

こんな大事な会議に、ヒットラーが参加しないのも、不思議だ。
当時のドイツがいかに異様な方向に進んでいたかが伝わってくる作品です。

ドイツが、この様な作品を作っているのも後世に残る作品なんだと感じてしまう。
また、ユダヤ人関連や戦争映画の作品を見て感じるモヤモヤは、この様な悲惨な過去があるのに、現在も争い戦争が止まないのは、何の為?
世界の何処かで、戦争を起こすための恐ろしい会議が行われているのか?なんて思ってしまう。

アキより