「戦争の恐ろしさ」ヒトラーのための虐殺会議 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の恐ろしさ
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ユダヤ人はこの世から消し去らなければならないということを大前提に、総務省やら総督府やら東部担当官やらよく区別ができない様々な立場の高官が、文書でのやり取りでなく美しいバンセー湖畔の建物に一堂に介して話し合おうという会議の一部始終。
1942年の段階ではドイツはまだ優勢だったのか嘘か、フランスの一部より西南と北欧を除いてほぼ全てがドイツの手中にあり、ドイツ国内のみならず全ヨーロッパのユダヤ人を絶滅させる使命を感じている。ただこの時点で彼らのような高官が「ここにはこんなに食べ物があるんだな」と言うくらいだから、庶民は間違いなく貧していただろう。
意見の中には「先の戦争ではドイツ軍として戦ったユダヤ人もいる」などユダヤ人を十把一絡げにしたくないというものもあるが、65才以上や功労者は別の収容所を用意するという結論で良いことになってしまう。
ラストにユダヤ人虐殺の手段の話になり、1人ずつ銃殺では非効率過ぎて不可能という議論になる。そこでガス殺が出てくるのだが、国民性が日本人に似ていると言われるドイツ人が、アウシュヴィッツ強制収容所などの凶行に至った理由が少し分かった。
ドイツ人がズラリと並ぶとワールドカップのドイツ選手と被る。戦争とは友愛や倫理とは切り離されるものなので、生まれた時代が違えば、彼らだって、もちろん私達だって…。
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