「恐るべき「最終的解決」」ヒトラーのための虐殺会議 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
恐るべき「最終的解決」
第二次世界大戦下、ヨーロッパ各地にいる1100万人ユダヤ人の処遇をどうするか…実際に行われたという90分の会議を描いた作品。
ナチスを描いた戦争映画は数あれど、銃声の一発も響かない、本当に延々と会議の様子だけが描かれた作品など他にあったでしょうか?
沢山の人物が出て覚えきれないし、皆高官だけあって言葉選びも慎重かつ難解。よって、細かな所までは理解できなくもこれ程までに引き込まれるとは見事な作品です。
成程、感心などして良い話では無いですが、ホロコーストもただ我武者羅に行われた訳ではなく、ナチス側の効率や負担、混血の問題についても…。
各重役の裏に見え隠れする思惑が、話を一筋縄には行かせない。内容はともかく、見応えがある。
とにかく、所々少々熱くなる場面はあれど、こんなにも恐ろしいことを淡々と、本当にビジネスの一部とでも言わんばかりに冷静に話し合う姿が恐ろしい。。
沢山の高官が登場しますが、1番恐ろしかったのはアイヒマンかな。他の人物も言っていることはアレですが、まだ感情が垣間見えるものの、アイヒマンは本当に1ミリもテンションを変えず淡々と・・・。
最初は隠語のように語られていた会議も段々と生々しくなっていきましたしね。。
1つの場面が続きつつも飽きさせないつくりに驚かされるとともに、この悲劇の重さに改めて苦しくなった作品だった。
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