劇場公開日 2023年9月1日

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福田村事件のレビュー・感想・評価

全372件中、81~100件目を表示

3.5差異を受容する

2023年11月4日
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福田村事件のことは無知で観賞。ただただ衝撃でした。戦争や震災の非常時に流布されるデマ情報から、やがて村人は罪のない人を殺めてしまいます。テロに等しい行為。

そこにあるのは同調圧力。100年経っても形は違えど、今もそこはかとなく「その傾向」は残っている気がします。
今ならSNSの誹謗中傷も「その傾向」に含まれる気もさします。
だから、彼らを殺すのを止めようとした民意がわずかでもあったことはこの映画の救いでした。
対話を通じて、相手との差異を受け入れる。人それぞれ前提が違うことを理解し、それを受容していく必要があるとこの映画を観て、感じました。
若い人に是非観てもらいたい作品です。

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ねじまき鳥

4.5愚行録‼️

2023年11月4日
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泣ける

悲しい

怖い

日本という国と日本人が犯した福田村事件という愚行‼️その愚行を晴天に晒したという点で、この作品の映画史における存在価値は高いと思います‼️演出良し、俳優陣の演技良し、ただ内容が内容だけに映像面にもうちょっとこだわりが欲しかった‼️陰影をつけるとか、市川崑監督が得意とした銀残しを使うとか‼️それは欲張りですかね⁉️それぐらい映画自体の完成度は高いと思います‼️

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活動写真愛好家

4.5自分は流されずに戦えるか

2023年11月2日
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その場のノリで動いてしまう
日本人の単純さと愚かさを
ここまで明確に切り取った作品は
あまり見たことが無かった…

ここんとこコケージャンと
アメリカを批判する映画ばかり見てきたので
いきなり日本人の醜悪さを
真正面から見せつけられて
正直観ていて心が震えます

とはいえ
儒教と尊皇思想をくっつけた薩長の後ろに
誰がいたのか
メディアでヘイトを貯める方法を教示したのは誰か…

多分全く同じことがウクライナとガザ
ナゴルノ=カラバフで起きていて

多様化という名の対立を煽ってる正体に
しかと目を向ける時期が来てると思いますね

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きーろ

4.0過去でも他人事でもない

2023年11月2日
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「朝鮮人なら殺してもいいのか」

答えは1つ

誤った情報に追い立てられ
冷静な判断を欠き
集団心理に呑まれる姿は
人の残虐性はすぐ隣にあること
理性を失う状況においては
自分もそうなり得る可能性が
あることを教える

罪なき人々
特に何も知らないこどもたちまでもが
あっけなく
さっきまでの善人により
命を落とす殺戮の衝撃
それが
この国の史実だということ

そして
恐ろしい火種は消えず
いまも世界中のどこかで
繰り返される差別や争い

発展を遂げてきた人間社会の
暗部の哀しみの歴史として
過ぎ去ったことではなく
他人事でもないのだ

あの絶叫の答えは
変わらずひとつなのだろうが
現実はひとつではない

重い内容だが
今までもこれからも
私たちは集団で生きる人間なのだ
ましてや
情報手段が進化し続ける社会においては
負の威力も計り知れない

私達は武器さえなく殺め、
殺められてしまうかも知れない

これは目を背けてはいられない物語だ

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hum

4.0共同体の維持に必要なのは、絶えず他者を異化し続ける「良心」

2023年11月1日
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興奮

知的

ようやく見た。
9月1日前後にマスコミでは盛んに宣伝していたが、それから1ヶ月半余りがすぎてしまった。その当時のような、この映画をめぐっての喧騒さはない。
一つひとつ起こった出来事をすぐさま忘れてしまうこの国にあっては、関東大震災やその際に生じた悪夢さえも100年記念として過ぎ去ってしまう。

それは、私たちの誰もが、狂気に満ちて殺戮の道具を手にした村人と同じだからだ。さまざまな肩書きを、必要のないまでの肩書きを手にし、いたずらに借り物の名を名乗りながら、その出来事を単なる通過儀礼のようにように振る舞う彼らと同じだからだ。

通過の儀式。たしかに、それは通過の儀式だった。そのあまりにも小さな無知の共同体の一人ひとりにとって、その共同体を維持する儀式だった。それゆえ、すでに過酷なまでに虐げられてきたその旅人たちは、何の躊躇いもなく、彼らの贖罪山羊になったのだった。

手を下したものは、人定の法によって裁かれようとも、おそらくはその共同体を維持しようとする行為は正当化されたのかもしれない。しかし、今ここにある法によって裁かれ刑に服してとしても、裁かれていないものがそこには残っている。

私たちが、この映画を通して出会うのは、まさに裁かれることを拒否し続ける我々の「良心」のあり方だ。

もう一度振り返ってみればわかる。
この映画の誰一人として、その程度の違いはあるにせよ、自分のことを「良心的」であると疑ってやまない人々だ。過去の事実に向き合うことによって苦しむ夫、その村への移住し夫との生活という現状を嘆く妻、被差別部落出身であることにより仕事の保証を得ようとする沼部、性(さが)に忠実であろうとする咲江、従軍経験を正直に吐露する倉蔵、在郷軍人会の長谷川、そして記者の恩田。

この良心だけは誰にも裁けない。だからこそ、それが良心として残ってしまう。そして、それが集団的になればなるほど、徒党を組めば組むほど、良心は狂気と何ら変わらなくなってしまう。疚しい良心とはまさにそのようなものだ。

例えば、澤田の語った次の言葉は、自分の良心を正当化すると同時に、その良心によって他者を、自分の向こう側へと完全に「異化」しようとするものだった。
3월 1일 만세 사건으로 우리나라는 당신들의 나라에 너무 심한 일을 해 버렸다.
그것을 사과하러 왔다
그래서 교회 안으로 들어가길 바란다”

この「教会」は、彼ものたちの共同体であるとともに、此のものたちの共同体を作るものでもあったということだ。ただ、彼が感じた良心こそ、自分を外在化する疚しい良心そのものなのだ。自己憐憫に陥ることは、自分を守る最後の術である。

しかし、この「良心」は共同体の外側であればあるほど、繋がりを欠いていて、分断的だ。登場人物中、アノ共同体に「内化」できなかった者たちが、疚しさがない「良心」を持つものだと見えてしまう。というのも、ソノ共同体を「外在的に」しか受け入れることができなかったからだ。澤田夫婦、咲江や倉蔵がそれにあたる。村長はまさにその境界線に位置している者の姿だ。

しかし、そうだろうか。これは共同体の「外側」に安心すべく良心が存在していることを意味してい他のだろうか。もし、そのような解釈が成り立つとすれば、それは陳腐な良心劇としかこの映画は評価されないだろう。

あの澤田の姿は、良心的であろうとすることを望む私たちの疚しさそのものを見事に映し出してはいないのか。

この映画は、まさにこうして、内側と外側という人間関係の境界線がいとも簡単に崩れやすく脆いものであるのか、そしてその際の徹底して良心的な自己弁護を図ろうとする人間の存在そのものを冷徹に描き出していると言えるだろう。

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critique_0102

5.0現代にも通ずる気色悪さ

2023年11月1日
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思い込みで歯止めのきかなくなった群衆ほど気色悪く、怖いものはない。改めてそう認識させられた。

正直事件が発生するまではやや長いなぁと思ってたけどちゃんと気色悪く事件が描かれていたので(褒めてる)星5。

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S.A

4.0誰が悪いとは言えない

2023年10月30日
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サバ

4.0主役いなくても成立するのでは・・・

2023年10月30日
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2023年劇場鑑賞253本目。
関東大震災時の朝鮮人虐殺に巻き込まれた日本人たちの話。

殺される行商人達と、事件の舞台になった福田村と、真実を報道できずに憤る女性記者の3パートが同時進行で描かれていきます。井浦新と田中麗奈がエンドロールで一番目と二番目にクレジットされているのでこの二人が主役ということになるのでしょうが、あるエピソードを井浦新に語らせたいのは分かりますがそこに至るまでの前置きが多すぎて、ここがなければもっとコンパクトに収められたのではないかと思いました。

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ガゾーサ

5.0暴走しない自信はない

2023年10月29日
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北枕寝二

4.0「あなたはいつもみているだけなの?」

2023年10月28日
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137分、監督は森達也、めんどくさがってたけどしぶしぶ観に行きました。やだー、おもしろいじゃない。長さは感じませんでした。思想を演説してるような映画を想像してたんだけど、違った。ちゃんと映画だ!

何かのインタビューで森監督はエロ要素を入れたくなかったけど強く言えず後悔しているというようなことを言っていた。なに言ってるんだ、エロがなかったら出来事であって、映画にはならないじゃないか。

村人たちに交錯する、情念の発露の結果が惨劇に結びついているのだと思う。そこを丁寧に書いていたのがよかった。それぞれエピソードとして面白かったし。義父に胸押しつけるのは笑った。

女性にいろいろ託しすぎな気はするものの、みんな個性があり、各々の思いがあり、複雑さを想像させるのがとても良かった。田舎=女性=他者って感じ。

善良な人たちが群衆心理で酷いことを…という触れ込みだが、「善良な村人」など一人もいない。ずるかったり、弱かったりする人たちがいる。

人権派の村長が惨劇の目の前でなにもできなかったり、「上がそうしろと言ったからだ」と自らの罪を引き受けない姿こそが本質だと思った。

守ろうと声を上げた人たちが救いだし、きちんとやるべきこと(=声を上げること、みてるだけでいないこと)も提示しているのが誠実だと思った。たとえ無力だったとしても。ちゃんと応えてくれた人もいたし。

有名な俳優たくさん出てるし、もっとキャッチーな宣伝もありだったのでは。左翼映画だとばかり思ってたよ。

それにしてもみんな肌つやがよい。村人に見えるまで時間がかかった。1923年は祖父が3歳。祖父母を思うと、当時の人たちは「近代的自我」みたいなのはあまりなかったんじゃないかな。はっきり意見をいう女性たちにやや違和感はあった。仕方ないけど。新聞記者に夢見すぎかな。サラリーマンだよ。部長に意見なんてしない。

良かったシーン

馬買ってきなっていうたくましさ
土手で妻の不貞をみている男と目が合うところ

新聞記者と社会主義者はなんか浮いてた

水道橋博士よかった。ああいう役はやっぱり背の低い男でなくてはいけない。デカいとああはならないんだな

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hyvaayota26

5.0貧すれば鈍する

2023年10月28日
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東出君が映画でも軟派男やってる点が唯一笑えた。
映画自体は一切笑える要素がない深刻な内容でした。

事情もよく知らない人が何者かに煽動され人を傷つける様子は現代でもSNS上に見ることができます。
福田村の人々を笑うのではなく我々も彼らも本質は変わらないのだという事を心に刻むことがこの映画を見る意義だと私は思いました。

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SO

4.5燃えあがる女たちの情念

2023年10月28日
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怖い

興奮

知的

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カールⅢ世

3.0心に留めるべき事件なのでしょうが…

2023年10月27日
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歴史的事実が題材とはいえ、旧「八つ墓村」みたいだったらどうしようと怯えながら観に行きました。同時にどんなにおぞましい内容でも目を背けずに見るぞ!見て考えるぞ!と覚悟を決めて観に行きました。

そのせいか、なんか、思ったよりもソフトというか、観客のショックを和らげようとする制作側の配慮がかなり感じられて、映画の印象が薄くなったように思えました。

あの女性記者は、安全圏で視聴する現代の観客の共感(と正義感の満足?)を得るために登場させたのか?村長が群集を必死で止めようとしていたのは、福田村の子孫の方々への配慮なのか?等いろいろ考えてしまいました。
現実はもっと無表情で淡々としていたのかな。日常と非日常は連続していて何の前触れもBGMもなく、いきなり血を見るほどエスカレートしたのかな。

不安や恐怖によるストレスが高まって集団ヒステリーから暴力事件に発展することは、今でも起こりうることですし、日頃の差別や、差別の自覚・うしろめたさがあるゆえの「仕返しされるかも」妄想が恐怖を拡大することもあるでしょう。でも、警察の謀略というのはひどすぎます。
映画をきっかけに体験したことのない状況について思いを馳せ、自分ならどうするだろう、現在アタマでこれが正しいと思っていることを、そんな極限状況で実行する勇気があるだろうかと考えこまずにはいられません。
それだけ大切なことを描いてくれた作品でした。
…もうちょっと登場人物がシンプルでもよかったなぁというのが残念でした。

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かつのじょう

4.0奥深い

2023年10月27日
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お話でした。この俳優さんが殺されちゃうの?には驚きました。

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ちびお

4.0映画に何を求めるのか

2023年10月26日
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悲しい

怖い

自分にとって映画とは何なのか、なぜ映画を観るのか、
そんな疑問を抱きながら、映画に何かを求め続けている私にとって、この映画は一つの答えのように思う。
具体的にどこがどうだったとかいう批評めいたことは、私には書けない。
キネマ旬報で何人かの識者が書いている通りなんだろうと思う。
ただ、一つ言わせてもらえば、在郷軍人会の分会長は、自分(達)がしでかしたことを、人のせいにして、妻に擁護され、救われてしまっている。あの台詞は、それがふさわしい人に言わせしめるべきではなかったか。なぜあんな輩を助けるのか。
最後に。
この映画で再確認させてもらいました。
あらゆる差別は理不尽だ。

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ぜん

4.5若い人にこそ観て欲しい

2023年10月26日
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悲しい

怖い

知的

公開前からこの映画のことは知っていましたが、公開から二月以上経ってやっと観てきました。
森達也監督初の劇映画。それも関東大震災直後に起こった集団殺人事件をテーマにした内容だけに、よくある社会派の映画のように暗く重い作品になっているのではないかと危惧していたのですが。
観て良かったです!
悲惨な内容ですが、日本的な湿っぽさや重苦しさがあまりなく、ある種の救いがあるためか後味は悪くありません。と言ってもエンタメ作品ではありません。考えさせてくれる映画です。

帰り道、8年前に読んだ森監督の著書『すべての戦争は自衛意識から始まる』を思い返していました。
人間の持つ悪しき性(さが)を突きつけられ、偏見、差別、暴力といった負の力は無知や無理解や愚かな恐怖心から生まれる……と強く感じます。

若い世代の人に是非観て欲しい映画です。

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アルジャーノンに花道を

4.54.3/5.0

2023年10月26日
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映画好き

0.5高評価ばかりなのが怖い

2023年10月22日
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md

4.0やっぱり分かり合えない

2023年10月21日
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この作品を見て、人と人が分かりあうことは無理なことなのではと感じた。

いま現在世界で日本で起きている争いごととリンクして、分かりあうことの難しさを感じた。
そして、ちょっとしたパニックが起きるとどんな人でも簡単に制御が出来なくなるのだと。

ひとりひとりのリテラシーを高め、ひとりひとりが考え意見を持つことが分かり合うことに繋がるのではと思いつつ、リテラシーにはばらつきが生まれるものだし、現実的に難しいと感じた。

役者それぞれの演技が際立つ。
それぞれが懸命に生きている日常がふとしたきっかけで狂気に変わることを感じる演出も素晴らしいと感じた。

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モトコ

5.0今こそ観るべき映画

2023年10月21日
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怖い

興奮

群集心理の狂気をみた。

あの場に自分が存在していた場合
「やってしまえ」と叫ぶ側なのか
「落ち着け、早まるな」と抑える側なのか
果たしてどちらにいたんだろう?と考える。
狂気に呑まれた人間を制止するのは難しい
出来上がった混沌の渦の中に身を任せた方が
簡単なのかも知れないが、それは罪だ。

時代が変わっても差別は無くなっていない
ふとしたことで、人は容易く堕ちてゆく。

色んな感情がありのままに描かれていた。
直視するのが苦しい場面もあった。
突き付けられたのは、リアル。
それをもって、明確な答えなど出ていない。
だけど、観て欲しい。観るべきだと思った。

剥き出しの感情。躍動感。音楽。映像。
すごい作品だったと思う。

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いがっち
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