福田村事件のレビュー・感想・評価
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流言飛語に飲み込まれ侵してしまったとりかえしのつかない過ち
映画の中の出来事が実際にあったのかどうか、もう資料の中でしか確認する事ができないが、何れにせよ、今の時代にもあてはまる事ではないか?
観ている者の胸を締め付ける
事実確認もしないまま一方的な口撃をする人達には特に観てもらいたいし、自分もそうなっていないか考えさせられる
凄く重たい題材に演者も猛者がそろっている
井浦新はじめ、東出昌大、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明など一癖も二癖もある配役に痺れた
日本人なら観ておくべき作品と思う
なお、監督はオウム真理教信者達の日常を追うドキュメンタリー映画『A』を撮った方だとか(まだ見てない多分)
Wikipedia辺りでもいいから目を通しておいた方がよいとおもう
軍国主義
100年前関東大震災後、千葉県福田村での事件。震災後、人々は数少ない情報源の元、色々な不安や先が見えない中で生活をしていた。
香川県の行商団、薬売りの一行がこの村に訪れる。丁度その頃世の中では、朝鮮人が井戸に毒を
入れたとか暴動を起こしたとか嘘が飛び交いはじめた。
内務省から自警団を促されたが落ち着きはじめ、戒厳令も解かれたのに大正デモクラシーの最中の軍国主義。
行商の方々の方言もあり朝鮮人と間違われ村人と衝突。歴代天皇を言えとか15人を取り囲む卑劣な行為。
誰かが正論を唱えても一人一人の感情が私から、我々に膨れ上がると無力になってしまう。
集団心理は恐ろしい。事件後、犯人達は特別赦免
され、謝罪は一切無し。
根本は戦争から始まった。
国と国との争いお国の為、お神の為、命を差し出す忠誠心。洗脳的になり集団だったら、何をしても良いと。国家の為と言うが自分の為ではなかろかと思う。今のネット社会も同様。
現在も何が起きるか分からない時代。
脳裏に焼き付け胆にも命じておく。
差別が暴力を生み、私が我々になって行く時の群衆が恐ろしいという事を。
普通の善男善女が集団心理で虐殺を行う恐怖。今でもあり得る。現代の日本で、世界で、大都市で、そして僕も善良なあなたも加害者になる。
今でも起こりうる集団心理による普通の善人が行った虐殺の物語。1人ひとりは善男善女なのに(善き夫、善き父親、善き息子、善き妻、善き母親、善き娘)なのに、群衆になるとその場の雰囲気にのまれたり、同調圧力に逆らえず殺人さえ起こしてしまう恐怖を感じた。
とても他人事とは思えない。ほんの30分前までは、まさか人を殺すなんてことは考えたこともない善人が、デマと群衆心理で虐殺をしてしまう。
最近ではコロナの自粛警察、アメリカの連邦議会襲撃があった。
群衆心理の怖いところは2つある。
1つは、暴動や虐殺している人々に悪意がないどころか善い行いだとさえ思っていることだ。個々人は普段はフツーの善男善女なのに、群衆になったとたん殺人さえ行ってしまう。
もう1つは、反対したいのに同調圧力で反対できずに暴走に加わってしまうことだ。群衆心理で暴走が始まってしまうと、同調圧力にのまれなかった人が反対しても、もう暴走が止められない。止めようとしたら普段は仲良しの隣人も敵とみなされ殺される危険もある。傍観するだけだ。
100年前の福田村事件の原因は、国家権力による情報操作と、殺らなければ殺られてしまうという恐怖と、朝鮮人と部落を見下している差別だ(今回の映画は部落出身ということで殺された訳ではないが、行商に出なければならない状況に置かれていにたということで間接的にではあるが原因となっている)。
朝鮮人差別は全然無くなってない。映画の台詞でもあったが「朝鮮人は日本に居れるだけでも感謝しろ」は大久保での在得会のヘイトスピーチにつながる。
(蛇足)
よくある誤解だが、日本は外国よりも同調圧力が高いというのは、データに基づかない個々人の単なる感想で全くの俗説だ。ネット記事やビジネス誌で、「日本人は同調圧力が強いと思いますか? YES 70 %、 NO 30 % 」なんていう個人の感想や、長く外国に住んでた人や帰国子女が、「日本に来ると同調圧力が強いと感じる」という主観による感想が、さも正しい定説のようなふりして一人歩きしてるだけだ。
日本人は集団主義、アメリカ人は個人主義というのも同じで単なる個人の主観による感想だ。データに基づく話ではない。
不謹慎ですが
朝鮮人差別というテーマもあるとは思いますが大義名分があれば他人の尊厳や命までも奪うことが許されると思っている村社会の異常性を描いた映画でもあります。前半は東出への禊なのか不倫問題と性欲には勝てないという内容もあり笑えますが他のキャストも色々と世間を騒がせた人たちが何人か登場します。意外だったのは水道橋博士の怪演が割とハマってます。後半からは日本の村社会の異常さをこれでもかと地獄絵図のように見せつけられます。
不謹慎ですが私はデビルマンの最終回を思い出しました。
村社会の少しでも異端のものや変わってるものにレッテルを貼り排除しようとする異常性に辟易する映画ですが今の時代の日本に生きる人々に是非観てほしい映画です。
これは大成功
目を背けてはならない負の歴史
衝撃的です。
観るべき映画の一本ではないでしょうか。
被害者の子孫の方々、加害者の子孫の方々、無念にも、亡くなられた被害者の方々、どういうお気持ちなのか想像もつかず、とにかく苦しくて涙が出ます。
長い時間蓋をされ表に出なかった理由が作品を観て納得しました。それだけの内容だという事。
その時、その瞬間は自分達は正しい事をしていると強く信じたいという加害者の集団的心理、そこからあっという間に曲がった真実と正義が作り挙げられてしまい、それらに巻き込まれて殺害されてしまった被害者。
観ていて大変辛い作品ですが事実なのです。
現代社会にも通ずる事があり深く考えさせられます。
鑑賞後も考え続ける自分がいました。
目を背けてはいけないと強く思える作品であり、演じられた役者の皆様も忘れられない作品になったと思う、とても強烈な作品でした。
タイトルなし
名古屋初日初回、満席。今日という日に見ることに意味があっただろう。脚本にはもう少し洗練が欲しかったけれど、物語の構成は悪くない。階級や村の人々の関係など描かれていた。東出くんのキャラは曖昧だ。群衆心理や在郷軍人の様態はよく描けていたと思う。でも、少し図式的。
荒井さん?の脚本は性愛に寄せ過ぎか。今村なら、同じく性愛を入れても、そっちに寄らないはず。
また、在郷軍人たちが警察のせいにするくだりも、ベタなセリフで説明しているだけで、これなら、しょうがなかったことになってしまう。
曖昧な状況から、暴発のように殺戮が始まって、それが止まらなくなるシーンは、秀逸なのだが。
在郷軍人がエリートたちをディスる構造は今の反教養主義と重なる。でも、古い脚本家たちが、ただプチブルを図式的に批判してる感も。
情報
日本人が向き合わなくてはいけない映画
関東大震災から100年目のその日にこの映画を見る事が出来た意味を考えたい。
怖い。怖い。ひたすら怖い。
日本人は世界的に見ても善良で平和的な民族であるという“うぬぼれ”を、この映画は木っ端微塵にぶっ壊してくれる。
テレビドラマでよく見かける「地方の村の閉鎖的な環境や因習による犯罪」は、もしかしたらその地方に限ったではなく、もしも何かとんでもない事件・事故が起きれば、日本中どこの街でも起こり得るのではないか。
裏を返せば、そこに日本人の残虐性、特に集団となった際の狂気が潜んでいる事実を、自分自身も含めて考えておかねばならない。
「お国のため」を錦の御旗に掲げて突っ走る在郷軍人会の連中や、デモクラシーや民主主義を唱えながらも暴力の前にあまりにも無力な村長を我々は侮蔑したり、あるいは嘲笑したり出来るのか。
その答えは過去にあるのか?未来にあるのか?
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