劇場公開日 2023年9月1日

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福田村事件のレビュー・感想・評価

全364件中、321~340件目を表示

5.0凄惨さを見るべき。

2023年9月4日
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泣ける

悲しい

事前評価だけを見て、あらすじは殆ど見ずにいつも映画を観ています。こんな凄惨な事件があった事、当時の日本人の凄まじいものを深く悲しく思い…でも絶対に忘れてはいけないものを自身の心に刻まれました。是非観て感じて欲しいです。

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rs8jn2

3.5「内務省からの通達」

2023年9月4日
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もっとドキュメンタリーっぽい仕上がりなのかと思っていたが、当時の暮らしぶりを上手くストーリーやキャラクターに乗せていて、匂い立つような陰湿な空気感がスクリーンから伝わった。
細かな数字やエビデンスについては別の議論が必要だと思うけど「この人たちと同じ血が自分にも流れているのだ」と言う事を気付かせてくれただけでも見た甲斐があった。
この時代に生きた人たちは、この後「大本営発表」と言い方を変えた御上の伝達にまた苦しめられる事になる。

それと、東出さんの演技が珍しく光っており(失礼)、なんて言うか役者っていうのはなんでも芸の肥やしになるんだな、と思った。

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にゃす

4.0多様な人物は善悪に色分けされず配されて、「悪人を作らない」という演出が、かえって現代の誰にも起こり得るかもと提起してくるのです。

2023年9月4日
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泣ける

怖い

興奮

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流山の小地蔵

3.5世にも恐ろしい事件が何故起こったのか?それを知れるだけでも見る価値有り。

2023年9月4日
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悲しい

関東大震災後の混乱の中で、在日朝鮮人へのデマが流れる。
「あいつらは日頃イジメられてるから、この混乱に乗じて屋敷に火をつけたり、井戸に毒を流したりしている。朝鮮人を見つけたら殺せ!」
そういった世論の中で、部落出身の行商人が朝鮮人と勘違いされて、村人に襲われてしまう・・

なんとなく聞いたことはあったけどよく知らなかった事件だが、映画を見ると当時の社会情勢や雰囲気を感じられてよくわかる。

映画としては中盤まで続いた、事件と関係のない村での情事。これが長すぎた気がする。

あと疑問だったのが、行商人側が朝鮮人と間違われそうになり、一触即発の場面なのにやけに大人しかったこと。部落出身なので差別されるのを諦めてるのか?
役所の証明書を待ってくれと言うなり、謝って立ち去るなりできそうな気がした。

面白くはないけど、見る価値ある映画だと思う。

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ジュンヤ

4.0あたしの名前は!!!

2023年9月4日
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悲しい

 恥ずかしながらこの事件の事を知りませんでした。
 無料パンフをゲットした際、珍しくちゃんと全部読みまして。。
 わずかなその序説だけで、ゾクッとしたんです。
 え。何で。こんな事件があった事を知らずにいたなんて。。
 すぐに関連書籍を調べて、唯一ヒットした、辻野弥生先生の「福田村事件」を購入し読みました。

 先生が千葉県で関東大震災の取材中に野田市のある住民から、福田村事件について書いて欲しいと依頼されたそう。
 地元ではこの事件はタブーで、
「野田の人間ではあと50年は書けない」と。。

 映画のEDでも説明されていたように、事件の事は活字で残された物はほぼなく、皆、口を塞いでいたそう。

 「これ以上事件を蒸し返さないでほしい」
 「せっかく忘れかけていた事なのに」
などの声も多く、取材中はかなりの葛藤とご苦労があったそうです。

 そんな中、わずかに残る当時の新聞を頼りに取材を重ね、2013年に書籍化!
(しかし、出版元の廃業で絶版に。。)

 そんな過程を経て、関東大震災から100年目にあたる今年の6月に再販が決まり私も手にする事が出来ました。
 当事件の映画化で注目されたのもありますね。
 福田村事件について記された貴重な本なので、機会があれば是非読んでみて欲しいです。

 さて、本作なのですが、あらすじが全てなので敢えて書きません。

 災害などの非常時に流言が発生し広がる理由として「急な不安」が大きな要因だと思います。
 そして、その不安の蓄積や流言の広がりが、弱い立場の人々への攻撃に変わっていく様は、悲しいかな100年前の人事ではありません。

 それこそコロナが感染拡大した時は世界中が一気に不安になったし、感染してしまった方々への暴言も聞かれました。

 不安を抑える為なのか、誰かを攻撃する事へと向かう心理状態は現代人も同じだ。
 そして権力のある側に加担し、情報操作したり、真実を報道しない新聞社。
(マスコミ)
 これだって今のJ問題に通じる所があると思う。

 歴史って。。
人間の過ちの過程を知る事ができる教科書だ。
 よく「悲惨な歴史は繰り返すな」みたいな文句を耳にしますが、きっちりしっかり過ちを繰り返し続けて今に至っていると思います。

 しかし、今の日本でこの題材をとりあげ、映画化したことは、大変意味のある事だし、製作陣の勇気を感じます。
 現に私も知る事ができました。

 映画として考えると。。
主人公(新ちゃん)の役割?が薄い。。ん?違うな何だろ?必要性かな?
 PTSDについても、例えば、フラッシュバックに苦しむ様子や悪夢でうなされるシーンなどがあれば、説得力が増した?
  4年間も妻(麗奈ちゃん)にさえ告白できなかったのに、その過去のトラウマを語るシーンも若干物足りない。

 瑛太はそのイケメンがやや邪魔になったか。。
 コムアイちゃんはすっかり女優さん。
良い味出してました。

 そしてまさかの!
東出君が色気ムンムンでビックリしたw
 お久しぶり。こちらも色っぽい麗奈ちゃんを何の躊躇もなく頂いちゃうのは好きでしたw

 登場人物が多いですが、それぞれの背景や立場による考え方の違いなども丁寧に描かれていました。
 集団心理による普通の人々が鬼畜になっていく様子もリアルでした。
 自分も、あの時代の福田村の住人だったらと考えた時。。
 ヤらないとヤられる。。
 当時の人々が襲われたであろう恐怖が想像できてしまいます。

 よく、この手の作品は、
若い人に観て欲しい!と言われると思うのですが、イヤイヤ、今の若い子の方がよっぽど柔軟だし、グローバルだから!
 私のような40代〜の頭の固い世代こそ思考のアップデートをすべきですわ。

 出どころ不明なデマに踊らされパニックになり、とり返しのつかない事をしでかすのって。。
この世代じゃん。。と思ってしまうのも偏見でしょうか。。^_^

 しかししかし!
レイトショーで鑑賞しましたが、先輩方で大入りでした。
 上映後、若干思想強め?の方2名ほどの力強い拍手におののき軽い尿漏れw
(ウソです笑)

 いや、でもやっぱり!
こんな事実があったという事を知るだけでも価値がありますので、全ての年代に観て欲しい作品です。

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ゆき

5.0怒りと悲しみで涙が止まらない

2023年9月3日
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泣ける

悲しい

怖い

何が起こるか分かっていたけれど、その理不尽さと、そう仕向けられていく人々に怒りと悲しみが止まらない。
人々が恐怖やデマや集団心理で、狂気に駆られていく姿は、漫画の「デビルマン」の最終章や、名作小説から映画化された「蠅の王」にも通じる。
そして、流言飛語の元となる群集心理を作り上げていく、警察、軍、政府、報道。「ジャーナリズムは権力を監視する」という本分を忘れ、権力側のスポークスマンになってしまう新聞の罪深さ。
こんなひどいことが行われていいはずがないと感じる一方、マスコミやジャーナリズムは今もこのときと変わっていない。権力側に都合の良いニュースしか流さず、都合の悪いニュースにはだんまりを決め込む。綿々と今に続いている問題だと思う。
現代においても、同じ問題は起こりうるし、戦争で人を殺すことが愛国であると思わされてしまいそうで怖ろしい。
小規模上映だが、クラファンで制作されたとのこと。このような映画をこれからも世に出し続けられるよう、また、映画としても非常に良く出来た作品のため、多くの人に見て欲しい。重く苦しいが、緻密に重ねられている多数の人の視点と感情がドキュメンタリーではない、素晴らしい劇作映画として心を打つし、おそらく今後高く評価されると思う。
また、個人個人丁寧に描かれた俳優陣が全員とても素晴らしいが、特に永山瑛太と東出昌大は役にぴったりだし、井浦新と豊原功補の立ち位置は、正当だけど腰が引けるという自分に一番近い人間かもしれない。水道橋博士は最後まで分からず、大変な役者ぶりだった。必見。

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くまくま

4.5無知の知、最後まで惹き付けられた。

2023年9月3日
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怖い

興奮

事件のあった場所の近く、松戸で鑑賞。
9割くらい席が埋まっててびっくり。いちばん広いところで放映すればいいのに、ちなみにその後見た山田洋次監督作品は1割以下。

関東大震災でたくさんの方が亡くなったことも知っていますし、朝鮮人の虐殺があったことも知っています。が、どちらも知識として、テレビで見た程度です。

実際に映像で観るとかなり辛いものがあります。
もちろん、虐殺してしまった当時の日本人は罪深いとは思います。ただ、この映画ではそれを単に「悪」で描くだけではなく、もちろん美化もしていない。とてもバランスが良いと思いました。

歴史では、民族ということで殺されてしまった事件は多々ありますが、日本人も同じことがあったことを知るべきだし正しく理解していたい。
同時に、戦争=「悪」として考えることを停止しているのは良くないと思います。

現在も、朝鮮人と中国人は、正しい知識も無く一方的に文句言っていますが、同じことが日本人にも起こっているのかも知れません。

映画としてもとてもよく出来ていて、最後までどうなるのか惹き付けられました。俳優陣の素晴らしさもありますが、演出も良かったと思います。
強いて言うと、ちょっと長いこと、朝鮮人差別と部落(穢多)差別、らい病差別、女性差別など、テーマが満載すぎること、方言が強すぎて何言ってか分からないところはちょっとマイナスかな、、

それでも観終わったあとの、凄いものを観たと思います。公開される劇場が増えるといいですね。

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だるまん

4.0アンダープレッシャー

2023年9月3日
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 我が国の近代史にて記憶されるべき恥ずかしい悲劇。この事実が映画化されること自身、日本文化の、日本映画の進歩だ。森達也監督初の劇映画との情報だけで見ていたが想像以上に幅広く絡み合ったドラマに驚くも脚本に荒井晴彦と佐伯俊道という名前を見つけなるほどと思った。
 全体に大正時代の地方の生活が丹念に描かれ、同時代でも都会が舞台のリボルバー・リリーとの違いなんかも気になったわけである。そして田中麗奈と井浦新、コムアイと東出昌大、柄本明ら、永山瑛太らのグループが複層的に描かれ、水道橋博士や豊原功補や退役軍人たちまですべての登場人物が何らかのプレッシャーを感じている状況が事件の遠因として理解される。さらに外部情報のインプットが新聞などに限定されていることも。
 役者では東出昌大はやっぱり色気あるなあと改めて。ただドラマ要素としては田中麗奈と東出はあそこまで描く必要はなかったのではと思う。

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またぞう

4.5まだ歴史は続いている

2023年9月3日
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難しい

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佐々木

4.5一部の部分が問題となってPG12になったのならもったいない

2023年9月3日
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今年297本目(合計947本目/今月(2023年9月度)7本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 まず、当方は、大阪市というある意味、この映画の「別の主人公」となりうる方たちが多く住んでいるところから投稿している行政書士の資格持ちです。この観点を理解いただければ、と思います。

 さて、こちらの映画です。大阪市では遅れ放送だったのですが、東京等で好評で、大阪市でも連日の予約埋まりで、予約を取っての視聴となります(大阪市でも当分続きそうです。ミニシアター中心なので、行かれる方はサイトのホームページ等で予約状況確認のこと)。

 9月1日は「防災の日」とされますが、その意義が何であるのかということは「意外に」知られておらず、この時期にこの映画が公開されたことには意味があるとは言えます。一方で、確かに意義があるとはいえ、地震の規模は同じでも、当時の建築基準と現在(2023年、あるいは、東日本大震災等)とは微妙に異なる点もあり、原点として「防災の日」を今日に決めているのは理解しますが、実際のところ「大規模災害等に伴うデマ等に注意せよ」という趣旨で行っている自治体はほぼなく(訓練メッセージを流して終わり、というところも多い)、この点もなんだかなぁ…という気はします(映画側帰責事由ではないので減点なし)。

 個人的には、加害者サイド(千葉県側)、被害者サイド(香川県側)のいずれの立場にも極端に偏らず、中立的な立場で描かれている点については良かったです。この事件により、この映画が述べるような被害者が生まれたほか、他の被害者(特に言葉が通じないとされた、ろうあの方や、知的・精神障害の方など)等にも、少しだけですが触れられていた点も良かったです。

 映画の趣旨としてどうしても、その趣旨として「差別用語」が出てくることは想定できるものであり、それは映画の趣旨からして目をそらすことができないものです。したがって、一部の映画にある「一部に不穏当な部分はあるが…」といった断り書きも「ない」映画です。このため、「そのまま」放映されていますが、それは「趣旨を考えて」そうなのであって、2023年時点の人権感覚としてはやはりアウトな表現は明確に存在しますので、注意しましょう(といっても、ここに投稿される方は大丈夫だと思っておりますが)。

 本映画を見に行くということは、本事件について、加害者サイド、被害者サイドのいずれか、あるいは中立的な立場でも見に行くという「ある程度の予備知識」があることは暗黙の了解と思われ、この点の説明は少ないです。ただ、映画の趣旨からしてそれは当然のことと言えうるので、そこは問題がなかろうというところです。

 また、最初に書いた「PG12になっている」点は、行為そのものの表現が厳しいほか、映画のストーリーに関係しないサブ筋の恋愛筋(実際に寝たり何だのといった表現は出ます)が絡んだのかな、とも思え、そこが絡んでいるとちょっと残念だったかな…というところです。

 採点に関しては、上記、「大阪市という特異な外国人問題を抱える」ところにいる、一人の行政書士の資格持ちという立場からの採点になる点はご理解いただければ、と思います。

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 (減点0.3/一部のセリフが(現在の基準では)混乱を招く)

 この震災のとき、在日韓国・朝鮮人の方(表現として、この表記を取ります。以下同じ)に対して「十五円五十銭」などと言わせたというのはよく知られていますが、その理由として映画内では「在日韓国・朝鮮の方は、濁音を言えない」というように紹介されている点は、明確に事実と反するのでまずいです(ただ、史実上、当時はそれで信じられていたのはご存じの通りで、減点が難しいが、ドキュメンタリー映画である以上、説明は入れるべき)。

 実際には、韓国語(北朝鮮語、という概念も難しいですが、以下、断らない限り、この2つは常に考慮して、いちいち書かないものとします)においては、「語のはじめに濁音は来ない」というルールがあるだけで、それ以外には濁音は来ます。韓国での庶民的肉料理(野菜炒め)の「プルコギ」だってそうです。「ブルコ「キ」」にはなりません。あくまで、語の先頭に来ないというルールがあるだけです(特殊な用語等は除く)。

 (減点0.2/映画内での描写が、香川県の公式の見解と異なる部分がある)

 この行商の方が、韓国・朝鮮の方と誤認されて被害にあったのは事実ですが、これについては映画内でも言及がある通り、生き延びた方からの手記があり、そこにはちゃんと「行商の一人が、中国の方から黒色の扇子を購入して持ち歩いていたが、それが(日本の文化になく)日本人ではないと誤解された」とあります(出展:香川県立文書館)。つまり、映画のような描写とは微妙に事情が異なります(ただし、映画で述べられるように、韓国・台湾はもとより、他の地方の方言を話す方や、視覚・聴覚障害の方が被害にあった等は事実)。

 ※ この点については香川県の公式見解で、この映画の作成にあたり、この点だけを改変する根拠は見出しにくいのも謎です(ただ、この事件自体、一冊の本にすべて収まっているわけでもなく、加害者・被害者サイドの書籍や、公式見解等を全て読み込む必要があり、それをどこまで映画に求めるのか、という論点にも関係します)。

 (減点0.1/「朝鮮飴」が何を指すのか、知識がないとわからない)

 あたかも、当時の韓国・北朝鮮で流行していたもの、というように思えますが、日本の史実上、この飴は、元禄・慶長の役において朝鮮出兵の時に持ち出されたものが、その地名をもってそう呼ばれている、れっきとした「熊本県の銘菓」です。

 この点、もう少しきちんと調べると、当時、韓国・朝鮮の方が売っていた飴は何でも「朝鮮飴」と呼ばれていたという史実もわかります(一般名詞に近い)。そして、形は違っても現在でいう薬機法(旧薬事法)がうるさくなかった時代は、飴にいろいろな効能をうたって売っていた、この映画でいう「行商」と呼ばれる類型が、韓国・朝鮮籍の方にもいることもわかります。

 しかし、このことは大震災以降、「飴に何が入っているかわからない」等と忌避されたことが多発し、それは震災と関係のない大阪や富山(富山は薬の町として有名であった一方、当時は薬と飴は性質上「似た商品」ではあった)の当事者まで普及し、仕事(飴売り)がなくなると仕方なく戻る方も出てくることになりますが(大震災から5~6年後)、このことも(現地における)戸籍行政を混乱させてしまい、「誰が誰か誰もわからない」といった状況を生むことになります。

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 (減点なし/参考/その後の韓国・朝鮮の方たちと日本とのかかわり)

 いわゆる日韓併合により、日本は朝鮮半島において土地管理を厳密に行ったため、住むところがなくなり日本に来ざるをえなかかった方たち(この映画で描かれているのは、この層)、そして、「第二次世界大戦前・大戦中に徴兵された人たち」、そして戦後の朝鮮戦争の勃発前に発生した「済州島蜂起事件、麗水・順天事件ほか」等、それぞれで韓国/北朝鮮から日本にわたった方がいます。

 歴史認識をどうとるかを語る場ではありませんが、前2つは言うに及ばず、後者についても敗戦後とはいえ日本はアメリカに協力したのも事実で、日本は「何らかの意味で」この一連の動きの「加害者側」になります。一方で、日本が確かに「法的に正しい帰国事業」を行ったのも確かです(いわゆる「帰国事業」)。しかし、そこで宣伝された北朝鮮はあまりに現実とかけ離れていることがわかると、数年で取りやめになり、このあとは北朝鮮との対話も取れなくなり、現在(2023年)に至ります。そして、現在でも「在日韓国・朝鮮問題」と言われるものの日本は北朝鮮を承認していないという事情もかかえ、「北朝鮮に帰国させることは人道的に無理」だという当然の理と、一方で「北朝鮮を承認しないことは、在日韓国・朝鮮人はすべて韓国人、とはできない」というこれまた当然の理があり、迷走しているのです。

 (減点なし/参考/日本が朝鮮半島に行った「文字の弾圧」)

 この事件よりも少し前に、併合していた韓国において「普通学校用諺文綴字法」というものが定められ(大正元年)、使用頻度の低い母音・子音を削るなどの対応が行われました。これにより、日本において学習する「古典」の学習(主に高校)が、同じく隣国の韓国(北朝鮮)においてそれを著しく難しくした、というのは事実です(大学で文学部等で行かないと習わないような「廃止されたハングル」がいくつも存在します)。

 ※ 韓国にも「漢文学習」はありますが、その前提となる「古ハングル」の学習に支障をきたしてしまうのです。

 ※ (少なくとも)韓国において、いわゆる「ワードソフト」といった場合、マイクロソフトのWordでもなく、「アレアハングル」というソフトが使われている(換言すれば、マイクロソフトのワードソフトがシェアを取っていない)のは、韓国における古ハングルの表記に今でも(状況により)必要だから、といった特殊な事情によります。
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 ※ 私はこのようなタイプで投稿しますので、好き好みあるかなと思いますが、良かったかなと思った方はフォローなどいただけると幸いです。

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yukispica

4.0【これ以上ない封切り日と問題提起】

2023年9月3日
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悲しい

関東大震災からちょうど100年に当たる20230901に封切り、歴史的汚点だが決して風化させてはならない面恥事実を世に問うた秀逸作品。当時の時代背景を分かり易くするためか舞台演出的な台詞回しを多く取り入れたのも個人的にはポジティブな印象。

人類普遍的な狂気染みた群集心理に加え、天皇を現人神として奉っていたある種のスピリチュアルな風潮に、日本特有の冷酷さを孕んだ陰湿で粘着質な村社会に、権威に迎合し自らの思考を放棄する事勿れ主義は、現在に置き換えて捉えてみてもコロナ禍狂騒に、程度の低さはさておきジャニーズへのマスコミの忖度に、貧困故の無教養と道徳心の欠如に、何も変わらず内包する未解決の気色悪い案件に通ずることに戦慄する。あと木竜麻生を要注目俳優にリストアップ。

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Chang Koh

3.0取り上げた題材は良かったけど

2023年9月3日
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個人的には2時間ドラマの域を出ない作品でした。
素晴らしい俳優陣と題材だったので見せ方がもう少し違えば、集団心理や噂の流布の恐ろしさがもっと強調されたのかなと、、。
また違うアプローチの仕方で同題材作品が出たら見たいなと思います。

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ぽな

5.0文句なし!観ておくべき作品

2023年9月3日
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知的

文句なし!色々と考えさせられた作品だった。目を背けたくなるシーンもあるが、福田村事件は絶対に背いてはいけないシーンの連続。史実としても勉強になった福田村事件。胸に刻みたい。どこか今の日本社会とダブって見えるシーンもあり我々に突きつけられた気がした。ぜひおすすめします❗今年の邦画ベスト作品にしてもいいし、日本映画ができなかった事を福田村事件は実現したのでは。この作品は澤田夫妻役の井浦新、田中麗奈の演技が良かったが、恩田楓役の木竜麻生の演技が素晴らしかった。

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ナベウーロンティー

4.0わかりやすさの罠

2023年9月3日
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2023年。森達也監督。関東大震災直後、千葉県の利根川近くで行商人が虐殺された実際の事件をもとにした物語。ノンフィクションを中心に仕事をしていた森監督が手掛けた初めての劇映画らしい。
森監督はただのノンフィクション映像監督ではなく、「A」「A2」などを通じて、事実とは何か、事実を報道するとはどういうことかと問いかけ、詮ずるところ、わかりやすさの罠について警鐘を鳴らしていた人だ。わかりやすいことに安心してはいけませんよ、疑問を持ちましょうね、曖昧な状態に耐えましょうね、ということ。ノンフィクションの原理を模索しながらノンフィクションの作品を作っている人であり、理論的かつ実践的な姿勢はとても好感がもてる。苦しそうではあるけれども。
その監督がつくるフィクションの映画作品。事実ではないものを通してなにかを伝えようとすることに、事実にこだわる人はどう対応するのだろうか、とわくわくどきどきしながら拝見。
最初に思い浮かんだのは濃密な性の雰囲気。エロい。映画というジャンルでは「虐殺」と「エロス」が結びつくからだろうか。特に抑えがたい性欲を抱える女性がこんなにも多いのは(夫が戦争に行っている間に浮気する女性が2人、夫の無関心でほかの男に気を向ける女性が1人)不思議だ。農村の人間関係が多様に描かれるなか(同級生の男たちは村長、先生、軍人と分かれているし、父に劣等感を抱く農民や村から離れて一人孤独な船頭もいる)、なぜか女性像だけパターン化されているように見える。
当時の農村の複雑な実像(権力関係や男女関係)をわかりやすく伝えようとすれば、パターン化されたそれ自体はわかりやすい要素同士の複雑な組み合わせで、ということになるのかもしれない。そういえば、当時の差別をめぐる状況(行商と水平社宣言と社会主義者と朝鮮人)、権力をめぐる状況(村議会と在郷軍人会と内務省)、メディアをめぐる状況(流言飛語と新聞社と政府)のひとつひとつはわかりやすい記号として描かれている。(殺されそうになった行商人が般若心経とともに水平社宣言を暗唱するとはちょっと想像できない状況だがインパクトがある)。複雑なものは複雑なま一色に塗りこめず、早急な結論を出さないまま考え続けることを奨励するという意味で、素材はフィクションになったとしても、森監督の方法は変わっていないようだ。
フィクションの恣意性という問題は残る。例えば、ソウルから帰ってきた元教師がいる。日本軍による虐殺を目撃したことで性的不能になっていてその妻が浮気する、そのとき朝鮮産の白磁の指輪を落とす。この二人は映画に猿回し的に介入して福田村事件を外側から見る役割になっている。事実を物語的に補強するフィクションの恣意的な使用を感じる。語ることの恣意性の自覚にあれほど留意を促していた監督なのだから、これは当然わかってやっているのだろう。ところが、この二人の介入は、単純な要素を複雑に組み合わせて考え続けるよりは、エピソードを累乗することでわかりやすさを増すことになっていないだろうか。または、そこまでやらねばならぬほど観客の側のリテラシーが落ちているという前提があるのか。ちなみに、妻の田中麗奈が最もエロさを醸し出している。よく殺されなかったものだ。

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文字読み

4.0この悲劇と狂気

2023年9月3日
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この悲劇と狂気はいまの時代でも起こりうる、いや、起こっている。

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こうたんまる

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2023年9月3日
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moriemon

4.0徐々に水がたまり、一気にあふれる展開に息を呑む

2023年9月3日
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実在の事件を題材にした物語。
重いテーマであるにも関わらず、連日満席となっており、森監督の注目の高さがうかがえる。

事件に至るまでの背景と事件そのものが丁寧に描かれている。コップの水があふれるように徐々に強まる不穏な空気に終始目がはなせなかった。

事件の悲惨さと過去の日本の過ちへの批判は痛いほど伝わってくる。
なかば過激派のメッセージがストレートすぎる場面もあるが、登場人物全体としては苦悩するもの、翻弄されるものなど、グラデーションを持って描かれており、バランスはとれている。
現代社会も似たようなものである。

豪華な俳優陣が、いい味を出している。
井浦新は静かだが思いと過去に一癖ある役はそのままである。
田中麗奈は久々みたが、品の良さの一方で、奔放だが芯があり憎めない役でぴったりであった。その2人の相性がとてもよい。
脇役含めてみなすんなり入ってきた。
永山瑛太は演技は良かったけど、田舎出にしては顔が整いすぎたかな。キャスティングというのは難しいものである。

惜しいところは、お金がそこまで潤沢になかったのだろうが、セットや撮影場所、衣装がチープなところがあり、時代が現代で撮影しているのをなんとなく感じてしまい、現実に引き戻される場面があった。

総じてテーマ性、作品として考えさせられ、見るべき映画と感じる。

2023年劇場鑑賞87本目

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ひでぼー

4.5差別を無くすのは、理解だ!

2023年9月3日
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個人的に避けて通れない映画でした。
日本人としても目を背けてはいけない映画。
めっちゃヘビーだし、正直テンポも見易いとは言い難い。
でも、観て良かった。
よくぞ製作してくれた。
これだけ豪華出演陣なのだから、もっと大々的に公開してほしい。
臭いものにフタをせずに。

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肉玉ぶっかけうどん

3.0惜しい作品

2023年9月3日
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集団暴行殺人への取っ掛かりの演出、音楽など非常に面白く上手い、瑛太の非人がゆえの朝鮮人を庇う話など説得力がある。
しかし、なぜ村人達が狂気に走ったか等が弱く、セリフだけで朝鮮統治失敗でみたいな事で終わらせている。
関東大震災後の不安などもっと描くべきだし、村社会の歪な構造ももう少し取り入れるべき。
井浦新、田中麗奈キャラクターの使い方が下手過ぎる。いなくても良く、その時間を村人に当てるべき。
殺戮に加わる等の使い方をしたほうが絶対に面白くなる。
上辺だけのキャラクターの描きたかで勿体ない。

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るい

3.5集団心理の恐ろしさ

2023年9月3日
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中国、韓国と隣国への相互信頼が乏しい現在も、起こってもおかしくない。これまでのヘイト運動や不買運動、汚染水問題も同じ事。日本だけ見れば、鎖国的、閉鎖的な考え方に偏っているのも心配。

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Miya-n