劇場公開日 2023年9月1日

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福田村事件のレビュー・感想・評価

全366件中、301~320件目を表示

3.5終盤のキャラクターの交差が良かった。 森達也監督は"多声性"と仰っ...

2023年9月6日
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終盤のキャラクターの交差が良かった。
森達也監督は"多声性"と仰っていたけど、
本当にその側面が強くて、おもしろかった。

ラストでそれがぶつかって、弾ける。
各人へのリスペクトも感じて、
感情が震える瞬間もあった。
いわゆる異物と呼ばれた者たちが立ち上がる、
その瞬間のためにこの映画はあった。

ただ、
映画自体の膨らませ方が、余りにも痴話過ぎないか?
とは思わなくもなかった……。

純粋な森達也エッセンスだけで作られた映画が見たい。

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JYARI

4.0虐殺は続く

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

「福田村事件」を観る。あまり好きではない「映画はプラカードではない、映画の出来としてどうかだ」という言説があるが、この映画は群像劇として非常に素晴らしくて、そこは軽々とクリアした上で戦争が差別を生み、その差別を温存し増幅させる今だにこの国に存在する社会構造を告発する映画でした。

「菊とギロチン」の桐生麻生さん演じる新聞記者がその差別を増幅させるシステムを担う機関に成り下がった新聞社を糾弾するシーン、これは朝鮮人虐殺を無かったことにしようとする権力に抗うことのできない今のこの国のマスコミへの糾弾でもあるよね。

あと、題材に朝鮮人ではなく朝鮮人と間違えられた日本人が虐殺された福田村事件を取り上げたことに対する疑問も出ていましたが、あの時に日本人が朝鮮人に何をしたのか、朝鮮半島で何が起こったのかということは重要なシーンでしっかりと描かれています。

ピエール瀧さん、豊原功補さん、水道橋博士さんらが、それぞれ「かつて理想を持っていたのにファシズムに屈した記者」「デモクラシーを唱えるが全く体現できない村長」「愚直に国体に身を捧げる男」を演じていて素晴らしかったです。博士、この役は大変だったろうな。

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ピンボール

3.5日本人として見ておくべき作品

2023年9月6日
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公開前から気になっていたので鑑賞。
関東大震災直後の朝鮮人の流言飛語が飛び交う混乱した状況で福田村で起きた行商団15名が虐殺事件に巻き込まれた実際の出来事を描いています。
関東大震災が起きて100年という節目にこういう作品が公開される意義は大きいし、多くの人に見てもらいたいと感じました。
ただ上映時間が137分とやや長めなのが気になりました。前半の様々な人間関係を丁寧に描きたい気持ちは理解できますが、実際の衝撃的な出来事との乖離が大きく前半の地味なドラマ部分の回収も微妙な気がしました。
しかし今見ておく価値のある映画というのは変わりないので興味が少しでもあれば映画館でご覧ください。
出演者はもちろん作品完成に協力した関係者の苦労が少しでも報われることを心より願います。
永山瑛太、豊原功補が個人的には良かったです。
ちなみにテアトル新宿は昼の回から満員御礼でした。

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Yoji

4.0日本人必見

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

関東大震災直後に流言があったことは知っていたが、実際にこのような事実があったのは知らなかった。グロなシーンもあることはあるが、グロ苦手な自分でも観られる範囲。
「これだけ、の情報社会で、今どき、このような事は起きないだろう」と思いきや、実際には2018年の胆振沖地震ではツイッターにとんでもない流言が流れてきていた。

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hanataro2

3.0100年前の現実を受け止めよ!

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

関東大震災のような考えられない事があると、信じられ無くなるのか?この様な事になるのかと思うと非常に怖い。100年前の惨劇をしっかり受け止め後世に!二度無い様に!

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binn

4.0不安の渦

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

これは事実を元にしたフィクション。
起こった事件に繋がる集団化、妄信、差別意識とかへ警告を鳴らすような内容だけれど、それがちゃんとエンターテイメントとしても成立しているのが素晴らしい。
前半で村人それぞれの人物像や関係性を丹念に描かれ、後半に震災が起こる事によりそれぞれが抱えていた不安やコンプレックスや使命感が増幅されてゆく。そして、事件が起こるその時にそれぞれの感情が爆発する場面でグロテスクな祭りみたいな熱狂を感じてとても怖かった。
うずまくモノが一気に放出されるのは誰にも止められない。

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にょいりん

4.0殺人シーンの描き方がいい。全体に野暮ったさはあるのだが、やりすぎて...

2023年9月6日
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殺人シーンの描き方がいい。全体に野暮ったさはあるのだが、やりすぎてない分くどさはない。そこが怖い。豊原功補がいい。

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ghostdog_tbs

5.0見るべき価値のある映画。

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

平日の10時台の上映に行ったがほぼ満席。連日続いているとのこと。このような映画に関心のある人がたくさんいるのだ。

関東大震災の朝鮮人虐殺とともに、売薬の行商団の同じ日本人を朝鮮人と決めつけ虐殺した本当にあった事件をもとに映画化したもの。その事件の様子はリアルで迫力があった。
ルポライターの辻野弥生さんの本が元になっている。

単にそのときだけの人間の心理状態がそうさせたのではなく、そこには軍部や元軍人の力、戦争、出兵、韓国併合、朝鮮半島での独立運動激化、日本人と朝鮮人労働者、天皇制、民主主義、社会主義への弾圧、言論統制などがさまざまな形で日本人の心を歪め、朝鮮人への恐怖心、差別意識が醸成されてきたのだ。それは、どこにでもある日本の日常生活の中に潜んでいた。
常識ある冷静な人たちも出てくるがそれは少数で、力で押さえつけられる。
朝鮮人なら殺してもいい。

それにしても100年前の事件がひた隠しにされ、殺害した住民も自分たちは国のために国の通達で自警団を結成し自分たちの地域のために立ち上がったのだと。

見たこともないのにデマを流し続ける人たち、国もそれに加担する。真実を伝えるべき新聞社も正面切って立ち向かおうとしない。若い記者が自分が実際に見てきた事実を記事にすることも待ったが掛かるという葛藤。

映画を通してこのような事件を初めて知った。森達也監督に感謝である。

永山瑛太、東出昌大、豊原功補、松浦祐也らが迫力ある演技をしてくれた。中でも、大正期の井浦新とその妻、田中麗奈が大人のエレガントな女性としてひときわ目を引いた。広島を舞台とした「夕凪の街 桜の国」(2007年7月)から16年経ったのだから。

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M.Joe

4.5今を生きる私達が観るべき、識るべき重厚な一本

2023年9月6日
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1923年9月6日
100年前の今日
福田村事件が起きた

公開中の森達也監督の映画で初めてこの凄惨な事件を知った。

関東大震災の騒擾の中で香川県の薬行商人の集団15人のうち幼児や妊婦を含む9人が、福田村(及び田村村)の村民により虐殺された事件だ。

大杉栄などの社会主義者や多くの朝鮮人がデマによって殺害されたことは有名だが、この事件も朝鮮人と疑いをかけられ、暴走する集団心理の狂気によって発生した。

朝鮮人差別だけではなく、部落差別、職業差別と重層的な差別構造が招いた事件だと思う。

100年立って日本人が理性的に進化を遂げた訳ではなく、人間である以上他者をラベリングし、異質なものを排除する性質は変わりはない。

今でも十分に起こり得るだろうし、自分が集団の中で加害者になることもあり得るだろうと思う。

そしてパンフレットが分厚い。
(映画とパンフレットはセット!)

そこには事件を25年に渡り追い続けた研究者がなんと映画の創りを批判する内容も載っている。曰く、史実とは異なる。

確かに、この映画は切り取り方によって功罪両面があるかもしれない。
しかし、今を生きる私達が観るべき、識るべき重厚な一本であることは間違いない。

柄本明、井浦新、田中麗奈、豊原功補、永山瑛太、東出昌大、カトウシンスケなど、名だたる俳優が集結しているのも頷ける。

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キッドマン

5.0狂気化する群衆心理は人間の本性(追記有)

2023年9月5日
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泣ける

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知的

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ブログ「地政学への知性」

5.0きさまも悪魔かもしれんな、おい

2023年9月5日
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史実をもとにしたフィクションなので、誰が殺されるかはわかっているのに、いよいよ殺られるというところまでは「朝鮮人と間違えられないでくれ」と思ったが、
「朝鮮人なら殺してもいいのか!」という行商人の叫びでハッと「否」と気づいた直後からの虐殺。
脚本・演出・役者の仕事にまんまとしてやられたとも言い訳できるが、ここは素直に自分を恥じたい。

人種性別職業出自いかなる理由であれ差別、ましてや殺人などは絶対に許されない。
平時ではそう思っている。
しかし条件が重なってしまうと、思想とは真逆の行動をとる可能性がある。悲しいかな私たちには。

拙文のタイトルは永井豪の漫画「デビルマン」の一節。国が作った「悪魔狩り部隊」が人間の中から悪魔をあぶり出すのだが、見た目では人間と悪魔、ましてや悪魔と合体した人間「デビルマン」の区別はつかないので、今作「福田村事件」と同じく、結果的に無差別殺人となってしまう。

差別を防ぐ努力は大切だと思う一方で、歴史は所詮繰り返すという諦念感を少なからず私は持っている。今般のSNSを眺めるだけでも、残念ながらその思いは増長する。

それでも、少しでもこうした悲惨な事が起こる可能性を下げるためには、「個の確立」以外にないと私は思う。回りの目ばかり気にして同調圧力に屈しない気構えが必要だ。大切な人を守るためには、知恵も必要。批判覚悟でいうと、「殺すより、殺されるほうを選ぶ」ことも必要かもしれないとまで思っている。

新しい映画ではなかったが、普遍的なテーマが冷徹な視線で描かれていていい映画だと思います。
特に水道橋博士には助演男優賞をあげてもいいんじゃないでしょうか。怪演でした。

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gugan

4.5100年前に起きた実際の事件だが、現代の日本で起きても全くおかしく...

2023年9月5日
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100年前に起きた実際の事件だが、現代の日本で起きても全くおかしくないし、姿形を変え実際に起きている。

エグミ・ヤダミ・後味の悪さと、自分が被害者にも加害側にもなりうる怖さ。ありきたりな意見だが、今この時に見るべき作品。

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こち

4.0劣等感と同調圧力と無知

2023年9月5日
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悲しい

怖い

知的

私は6歳から東京、千葉に住んでいたのに福田村事件や亀戸事件の事を聞いたことがありませんでした。関東大震災後の朝鮮人虐殺について知ったのは10代半ばの頃で、朝鮮人が井戸に毒を入れたというデマが飛び交ったから、というもので、当時はどうしてそいういう発想になるんだろうと不思議でしたが、恨まれる心当たりがあったのだとは思い付きませんでした。朝鮮人だけでなく間違われた人やどさくさ紛れの殺人まで行われていたことにも驚きました。

差別は劣等感の裏返しではないかと思っています。
本作では、無知によって不安が増幅されて、集団パニックが起こる様子が語られています。正常な判断が出来なくなり、ごく平凡な人間が狂気に支配されていきます。
これは日本人として、人として、知っておくべき事件です。

映像作品としては、地震の再現はあれで良かったと思いますが、関東大震災をよく知らない人が理解できるように、被災の状況がどれだけ悲惨だったかの描写がもっと欲しかったところです。
あと、登場人物が多いけれど見た目が似通っているので、途中まで人物の区別がつけにくかったです。

智一はまた教職に就いてほしいなと思いました。

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ゆり。

4.0人間の命は平等である!

2023年9月5日
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泣ける

悲しい

怖い

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リオウリオウ

5.0色々と考えさせられる作品

2023年9月5日
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時代背景やタイトルからホラーかと思って観た。

正直途中で胸糞悪くなる映画であったが、生について
考えさせられる映画。

かなり事実に近い内容だけに重かった。

観るべき作品

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chanta

4.0意義は大きい

2023年9月5日
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「過去のこの国の汚点を知る」「人の愚かさ」「集団心理の怖さ」「思い込みから事実確認しないまま暴走することの危険性」を示し、学ぶにはいい教材的な内容。
抑えられつつ効果的な音楽とも相まって、残酷な史実を浮き彫りにしていました。

関東大震災において、日本人の自警団たちが、韓国(朝鮮)人、訛りのある地方人、被差別集落民、社会主義者らを数千人規模で虐殺した史実を、警察や政府資料に記録が残っているにもかかわらず、(現政権与党や東京都知事などが代表的で)「見たくないものをなかったことにしたい」「政治的に利用しやすい方向へ歴史を修正しようとする」動きを牽制する意味では、作られた意義は大きい。

そして、直接手を下していないものの、見ていることしかできなかった傍観者も同罪であり、歴史を知らないままでいた観客にも他人事ではない、という事実を突きつけてくる。

ただ、本事件に関しては背景に差別問題があることで、関係者たちが多くを語っていない。
僅かな裁判資料と、事件の被害者側の生存者で当時子供だった人が晩年語ったことくらいしか記録がなく、詳細がわからない。
そんな中で、ドキュメンタリーの手法で物語を構成することで、すべてが本当のことのように錯覚させられてしまうという点については、多少疑問も残る。
それと、監督の政治的主張がにじみ出るシーンやセリフがいくつかあると感じ、感情誘導しようとする表現がストレートすぎて拙く、そこにひっかかりを覚えました。

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コージィ日本犬

4.0朝鮮人なら殺しても良いのか?まさにそう思った

2023年9月5日
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りあの

3.0恐ろしい実話

2023年9月4日
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なぜ?

大震災が大震災でなかったのはなぜ?

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完

4.5悪い噂は大きくなり、時代は軍国日本

2023年9月4日
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大正時代のお話しで、今まで聞いたことの無い実話ということで楽しみにしてました。悪い噂やお話しというのは、捉え方によって昔も今も変わらないんだなぁと思いました。

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リングスゼウス

4.5今語られるべき映画

2023年9月4日
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悲しい

集団心理の怖さ、人間の恐ろしさ、弱さなどを強烈に見せられた。
鋭い問題提起。
終盤の為にある作品だった。
必見の映画!

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KJ