「人間の業の渦の先」福田村事件 カメさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の業の渦の先
個人評価:4.0
ゆっくりとあの事件へと近づいていく。
閉鎖的な村文化の土着的な怖さがあり、ヒリヒリとした演出に、物語の中に吸い込まれ、自分がいつしか村人その一になったかの様な臨場感がある。
人間の業の渦の矛先は、つねに自分より弱者へと流れ込む。
善人が善人のまま人を殺める。誰もが加害者になり得る状況にこそ怖さがある。
他民族への怒りと恐れ。正義の名のもとに人を殺す。戦争とはまさにそういうものか。
またこの実在の事件の、どこに発端・問題点があったのか、本作は示唆してくれており、踏み込んだ脚本と感じる。
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