「普通の人々が犯す大惨事」福田村事件 父ゆずりさんの映画レビュー(感想・評価)
普通の人々が犯す大惨事
きわめて普通の人達が、ひとたびパニックになると、不安と恐怖に駆られ、このような大惨事を犯すのは、今も変わりがないのではないか。
被差別部落からの行商団だったことが悲惨な事実が語られなかった一因になったと思うし、頭の「朝鮮人だったら良いのか」の台詞は重い。
事実とは異なる報道や大本営の通達を行った人々、どさくさに紛れて社会主義者を処刑した警察、デマを信じ煽動された民衆の暗い歴史を私達はもっと知るべき。
メディアの矜持が薄れ、フェイクニュースが増えている今、容易ではないが、情報の真偽を問い、自らの頭で思考する重要性を感じる。妄信や決めつけ、格差や不条理による不安や不満、己れも気がついていない深層心理は怖い。
森達也氏の独自の視点と問題提起力のファン。
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