劇場公開日 2023年9月1日

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「日本人の弱さを噛み締める」福田村事件 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本人の弱さを噛み締める

2023年9月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アメリカの人種問題を扱った舞台作品を見たので
日本の差別問題もちゃんと見ておこうと思い鑑賞。

逆差別の意識を持った人たちが作ったのではと勘繰っていたところはあるが、誰かを一方的に責めるのではなくきちんと集団心理の恐ろしさを描いたものだった。

なぜこのような事件が葬り去られていたのか。たまたま被害者に日本人が混ざっていたからこれだって後に明るみに出ただけで、迫害は日常的に横行してたのだと思う。部落民のことすら私たちはほとんど知らない。

多数派に流されやすく、反対意見を述べることもできず、みんながやってるならうちもやる、今も昔も日本人のありのままの姿。戦争が人をさらに狂わせたとは思うものの、今の世代だって本質は何も変わらない。今SNSで起きてる言葉の暴力がいつか同じように恥ずかしいと皆が当たり前に思う日は来るんだろうか?

終わって気づいた水道橋博士、演じる自己陶酔感と、井浦新の臆病心、そして豊原功輔の自己弁護、どれもとても人間くさくてリアルだった。

ここのところ現実逃避のように見たくもない流行り映画をたくさん見てたけど、もっと色々考えることに繋がるものこそ映画として見る意味があるのではと思えた。まあ結局現実逃避の軽い映画も必要なんだけど。

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鑑賞後久々夜の渋谷を通って帰ったが、ただ酔っ払って騒ぎたい若者の町と思ってたのにそれ以上に奥は荒んでた。街は汚いし警察があちこちで尋問してるし、それでも堂々とラリってる人たちが暴れてる国よりはマシなんだと思うが日本も大概だなと思うにはピッタリすぎる締めくくりだった。

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しかし朝日新聞のクラファンで資金集めしたと聞くとどうしても捏造問題があたまをよぎりモヤモヤする。。

alvo