アムステルダムのレビュー・感想・評価
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どう観るかで評価の変わる作品
時間は短い、愛こそ真実だ。
…といつ冒頭の会話に全てが集約されています。
作品の切り取り方は様々ですが、史実に基づいたスパイもの/サスペンス的な見方をすると物足りないかもしれません。
全体的にコメディタッチで華やか、監督らしさが出ています。
作中のセリフに『愛』を問う台詞が繰り返されますが、男女関係に限らず、選択こそが人生を作る。そのことが各キャラクターのクライマックスを通して体現されており、切なさや高揚感の余韻があります。
キュートの極み
今年ベスト!あらゆるものがベスト!!
期待感が大きすぎたかも
実話ベースの物語と聞くと少し期待してしまう自分がいる。実話の中には小説や映画、漫画を超えるドラマが潜んでいる可能性があるから。
本作は第一次世界大戦で出会った男女三人が国家的な陰謀に巻き込まれていく話。第一次世界大戦が終わっても第二次世界大戦への布石となる出来事が起こり始めていたってことなんだな。でも、期待が大きすぎたのか、そもそもこの話の魅力がこんなものなのか、そこまで心が揺れ動かされることはなかった。話が多少わかりづらいのも原因の一つ。観終わった後、感じた面白さと今一つすっきりしないモヤモヤで、とっても微妙な気分になってしまった。どうせならもっと話を盛ってもよかったのにと思う(無責任な意見)。
でも、出演者はかなり豪華。マーゴット・ロビーはもはやベテラン感さえも漂う雰囲気だったし、ラミ・マレックとアニヤ・テイラー=ジョイの夫婦もよかった。いや、もちろんクリスチャン・ベールとジョン・デビッド・ワシントンも。
豪華なキャスティングがウリ
不思議な感触の映画。
あらすじはボヤッとしたくらいしか把握せず、完全に役者さん目当てで観に行きました。
クリストファー・ノーラン監督作品が好きなもので、主役を張ったクリスチャン・ベールとジョン・デイヴィッド・ワシントンが出るなら観てみよう、という軽い気持ちです笑
映画全編は淡々と進みます。オーバーな演出とか音楽とか一切なし。代わりに役者さんの演技の緩急(うまい!)で場面が切り替わる。どんなシーンかを理解する。字幕版で観たので余計にそう感じました。
終盤の戦友会での演説の直前、協力してくれていた富豪のトム(ラミ・マレック)夫妻が実は「あっち側」だと分かる場面はゾワっとしました。少しずつ異様な表情になり、本性を表す夫婦。うまいなー。
友と協力してアメリカの独裁国家化を未然に防いだバート。でもその過程で彼は妻と別れるんですよね。全て上手くいったわけではないけど、バートはそれでも前を向く。飄々と。僕も最近辛いことがあったので、バートの姿に「それでも生きていかんとな」と励まされました。
内容は国家の陰謀に関わる重いものなのに、それを防ぐのが戦地で知り合った3人の親友というギャップ。
穏やかな音楽も相俟って、観終わる頃にはほっこりした気持ちになりました。不思議な映画です。
デビッド・O・ラッセル「アムステルダム」サスペンスとしてはオチが弱...
これぞまさに名作。こういうのが名作。
激しいアクションもなく、緻密なミステリーもなく、心に染みる感動もなく、あっと驚くどんでん返しもない。
けれども完璧に面白い。
基本的には台詞回しが心地よい淡々とした会話劇だが、豪華キャストが故、演技は骨太で、スクリーンはとても華やか。一人ひとりのキャラクター表現が見事。撮影技法的にも、挑戦的でとても新しい。これが作品のレベルをガッと引き上げている。美術や衣装も文句のつけようがない。
実話ベースということで社会的なメッセージも含まれるが、決してそれに頼らない物語としての完成度の高さ。添えられたメッセージは重くても、物語は軽妙。メッセージなんて気にしなくたって、ちゃんと面白い。
私自身もアクション映画もモンスター映画もアメコミ映画も好物だが、この映画を見て「刺激がなさすぎてつまらない」「何も起きずに退屈」という感想はあまりに寂しい。
社会批判としてどうなのか、というのは、メッセージに引っ張られ過ぎていて、物語そのものを楽しめてない印象。
脚本から撮影、演出、編集、美術、俳優陣の演技まで、みっちり作り込まれた、こういう映画こそが、まさに名作。豪華なキャスト、華やかな絵作り。偏屈なアート感や小難しい作品性をかもすこともなく、ちゃんとポップに作られてます。
文句のつけようがない出来栄え。
映画としてのジャンル、シリアス/コメディ、社会へのメッセージ性。そんなタグ付けは不要。
アメリカ映画はすぐキスをする。
ファシズムを語ることの陳腐化
観たかった度○鑑賞後の満足度✕ (この組合せ・顔ぶれで)あり得ないけど、ほぼ愚作。
①これ程タイトルが無意味な映画も珍しい。第一次世界大戦のフランス戦線で出会った主役三人が戦後の一時期「アムステルダム」で楽しい時を過ごしただけで、物語(特に中心をなす陰謀の話)には有機的に少しも絡んでこない。当時戦争の影響をあまりを受けなかった都市であればどこでも良かったんじゃない?というくらい意味がない。
②何と言っても脚本がつまらない。思わせ振りな導入部から過去に遡る作劇法は特に目新しくは無いが、それでも面白くなるかと期待したのに見事に肩透かしを食らう。導入部で良かったのは歌姫テイラー・スウィフトの役があんな形ですぐ消えてしまうのに驚かされたのと、ハーバーとイルマとの出会いが有ったことくらい。
③“陰謀”に関しても、第二次世界大戦前に第一次世界大戦の戦勝国だった国々にもナチスやファシズムのシンパがいたのは別に珍しい話ではないし、“陰謀”の核心に迫るまでに謎解きの面白さもなければ伏線もなく何の捻りもないのが致命的。誰でもいずれたどり着けるわ、くらいの味気なさ。ラストの戦傷復員会のパーティーに何故かドイツ人がいていたのも唐突で?最後のデ・ニーロの演説も、そこにたどり着くまでに話の膨らみが殆ど無いので、取って付けたようで感興が湧かない。“Cuckoo?”が面白かったくらい。
④クリスチャン・ベールは『ソー:ラヴ&ソー』に続いて最近精彩がないね。
⑤マーゴット・ロビーは相変わらず派手な顔が美しく、ローリングトゥエンティーズから1930年代の髪型・ファッションも良く似合っているけれども、結局どんな女性なのか最後までよく分からない。脚本の描き込みが足らないのだ。だが、ローリングトゥエンティーズの髪型・衣装が映えるということが分かったので次の『バビロン』に期待しましょう。
⑥ラミ・マレックは『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でもそうだったけれど、悪役としては貫録不足だし線が細い。
⑦アニヤ・テイラー=ジョーズも『ラストナイト・イン・ソーホー』ではfemme fatal 0としてあんなに蠱惑的だったのに、ここでは単なるチンピラ悪女。目の間が広い!
⑧刑事コンビの生意気な方の相方がどこか見覚えがあると思ったらやっぱりアレッサンドロ・ニボロ。何故か若い(若づくり?)。こんな脇役でコメディ・リリーフをして且つ印象に残るとは役者として成熟してきたな、と感慨深い。いつかは助演男優賞を取って欲しいね。
⑨あとはイルマ役のゾーイ・サルダナが好演、印象的だったくらいで、それ以外は殆ど観るべきところがない。
⑩デビット・O・ラッセルの演出力はそれほど落ちていないとは思うが、『世界に一つのプレイブック』のユーモアやヒューマニズム、『アメリカン・ハッスル』のユーモアが微塵も感じられない。ジェニファー・ローレンスに出て貰ったら良かったのかも。
豪華俳優陣によるサスペンス
あまり話題にも挙がらず、自分も公開されるまでチェックを怠っていた作品ながら、その出演者の豪華さを知り、慌てて映画館に駆けつけた作品。第1次世界大戦後の1900年代初頭を舞台に、国のため戦った復員兵達にスポットを当て、戦争という時代背景の中で蠢く、大富豪による陰謀を暴いていくサスペンス。
題材としては、史実に基づいた、大変シリアスで、緊迫感のある内容である。しかし、どこかコメディータッチな演出の創りや、当時の衣装を身に纏った、ボギーやボガが街を闊歩する、ノスタルジックな風景が描かれており、古き良きハリウッド映画の雰囲気を漂わせ、郷愁を誘う作品でもある。
物語は、第1次世界大戦で大けがを負ったバートとハロルドが担ぎこまれた野戦病院で、看護師・ヴァレリーと知り合う。意気投合した3人は、戦後にアムステルダムに移り住み、「何があっても、互いを守り合う」という誓いの友情の中で、自由を謳歌する暮らしをした。しかし、時の経過と共に、バートとハロルドはアメリカに戻り、ヴァレリーも消息不明となった。
十数年後、バートとハロルドは、戦地で世話になった大尉の死の真相を、突き止める依頼を受けたのだが、ひょんなことから、その娘の殺人事件の容疑者となってしまう。2人は、自分達の濡れ衣を晴らす為に、ある大富豪の有力者の元を訪れるのだが、その先で、ヴァレリーと再会を果たす。改めて3人は、真犯人と真相を調査し始めるのだが、その時には既に、戦争による金儲けを企む猛者達による、巨大な陰謀の渦中にあった。そんな折、大物政治家が3人の声に耳を傾け、協力を得て、命がけで陰謀を暴き、真相を明らかにしていくクライム・サスペンス。
とまぁ、ストーリーとしては、よくあるサスペンスではあるが、とにかく俳優陣が豪華。
まずは、主役のバートとヴァレリー、ハロルドの3人に、『ダークナイト・シリーズ』のクリスチャン・ベール、『ハーレイ・クイン』のマーゴット・ロビー、デンゼル・ワシントンの息子で『ティネット』のジョン・デビット・ワシントンが演じている。また、大富豪役には『ボヘミアン・ラブソディー』のレミ・マレック、医師役には『アバタ―』のゾーイ・サルダナ、先日公開された『ブレット・トレイン』では悪役を演じたマイケル・シャノンも出演。その他にも、クリス・ロック、アニア・テイラージョイ、アンドレア・ライズボロー、テイラー・スイフト等々、主役級の俳優陣が、しっかりと脇を固めている。
そして、そして最後に登場する大物政治家役では、大御所・ロバート・デニーロまでもが円熟味の演技を魅せてくれる。これだけの俳優陣を招き、それぞれの個性を活かし、存在感のある演技として映し出した、デビット・O・ラッセル監督の手腕が、光る作品ともなっている。
映画好きには、これだけの豪華俳優陣を観るだけでも、価値ある作品とも思える。
トラウマがぁ
2022年劇場鑑賞248本目。
冒頭からなかなかの展開で巨悪との戦いを感じさせるのでここからの大逆転を予想したのですが・・・。
実話ベースということで仕方ないのかもしれませんが、策がなんか思ったより地味だなと・・・。
クリスチャン・ベールとマーゴット・ロビーはどちらも役によって印象がかわるカメレオン俳優だと思いますが、今回のベールはそうだと言われて見ても自分の中のペールと結びつかない程風貌が変わっています。若い頃はいつものベールなのですが。
まぁなんやかんやありまして、クリスチャン・ベールのモノローグが始まるのですが、これがなかなか終わらなくてですね、人生の中でもつまらな過ぎて脳がしびれてきたくらいの3時間ほぼクリスチャン・ベールのモノローグが続くテレンス・マリック監督の「聖杯たちの騎士」を思い出して嫌な気持ちになりました。
パンフレットもないので☆0.5減。
心地いい音楽と衣装
大人向け映画
格好いい!
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