「アプローチの仕方が違っていたらどうだったかな?」アムステルダム Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
アプローチの仕方が違っていたらどうだったかな?
2022年公開、アメリカ映画。
【監督・脚本】:デヴィッド・O・ラッセル
主な配役
【医師バート・ベレンゼン】:クリスチャン・ベール
【看護師ヴァレリー・ヴォーズ】:マーゴット・ロビー
【弁護士ハロルド・ウッドマン】:ジョン・デヴィッド・ワシントン
【ギル・ディレンベック将軍】:ロバート・デ・ニーロ
【富豪トム・ヴォーズ】:ラミ・マレック
ほかに、
テイラー・スウィフトも出演している!
1.コロナ時代の作品
興行的には大失敗に終わってしまった。
コロナがなかったとしても、製作費を賄えたのかは怪しい。
1930年代を描く作品だが、歴史の流れが脳裡に浮かぶ人たち以外は、背景がスッとは入りにくい。
設定を理解するのに時間が必要だ。
2.半実話?の物語とトランプ政権
ロバート・デ・ニーロが演じたディレンベック将軍にはモデルがいる。
スメドレー・バトラー将軍だ。
米国内にクーデター計画がある、と政府の委員会で告発した。「ビジネスプロット」と呼ばれるスキャンダルだ。
だが、実際のアメリカ社会は彼をほぼ黙殺し、ニューヨーク・タイムズは、デマだと決めつけた。
いまだに、議論が分かれるテーマとなっている。
本作は、このスキャンダルを映画化した。
トランプ大統領の施政下、テイラー・スウィフトが出演した背景を考えれば、
◆反権力
◆反国家主義
を伝えたかったのか。
3.コメディタッチのアプローチ
殺人事件からスタートするストーリーだが、
脚本、演出はあくまでもコメディタッチだ。
国家転覆を狙う陰謀、、、
のはずだが、要所要所でシニカルなセリフの掛け合いが多いため、展開にスピード感や緊迫感はない。
残念ながら、専門家の評価もさほど高くはないようだ。
結果論ではあるが、
やはり、王道の「緊迫感あふれる謎解きアプローチ」だったら、どうだったのだろう?
もっと評価されたのでは?
4.まとめ
JFKほどではなくとも、
国家規模の疑惑なので、映画のテーマにピッタリだ。
だが、一貫してシニカルな笑いを含んでストーリーは進んでいく。
それが、いきなり
ラスト近くになって、唐突に(私はそう感じた)
愛、芸術、国家、富、戦争、欲望…
などのセリフで画面が埋め尽くされる。
「面白いよ〜、楽しいよ〜」と釣っておいて
いきなりガチに布教してくる宗教のような映画だな、
と感じた。
ネガ評価多めだが、テーマの面白さ、釣られた自分を冷静にみて、☆4.0