「アメリカの反戦機運を盛り上げたスメドリー・バトラー将軍の事績を称える映画」アムステルダム 酒呑童子さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの反戦機運を盛り上げたスメドリー・バトラー将軍の事績を称える映画
最初に不思議に思ったのは、ディープステートに完全に支配されているウォルトディズニーがなぜこの時期にこの映画を配給したのかということ。
スメドリー・バトラーという人物が、1930年代のアメリカで第一次世界大戦から帰還した退役軍人を中心に多くのアメリカ人から熱狂的支持を受け、アメリカ世論を反戦主義で大いに盛り上げた人であるということをほぼ全ての日本人は知らない。ネットで検索しても彼の名を冠した沖縄の米海兵隊基地、キャンプ・バトラーが引っ掛かる程度で、彼本人を紹介したものはほとんど見当たらず、あってもキワモノ的な表現が随所に散りばめられた人物評が散見されるのみ。
戦後の日本人に徹底的に埋め込まれた東京裁判史観や自虐史観。それらの卑屈で腐った島国根性を覆してしまうスメドリー・バトラーの正しい姿は、日本人にだけは絶対に見せてはいけないという何らかの意思が、ネットの世界にもきっちりと組み込まれているのかと思うと背筋が凍る思いがした。
そうした歴史的背景を知らずにこの映画を見ると、いわゆる国際金融資本家たちによるアメリカ国家転覆と自分たちで自在に操ることができる独裁支配国家建設の企みを描いた映画にしか見えないが、裏に潜む史実については非常に深いところをさらりとさりげなく描いた映画だと思う。だから、ディープステートに支配されているディズニーが配給したというのは大きな謎でしかない。
ちなみに二度と戦争をしないことを公約として大統領となったフランクリン・ルーズベルト。本心では戦争がやりたくてやりたくて仕方がなかった彼。しかしスメドリー・バトラーが築き上げた反戦主義というアメリカ世論は、ルーズベルトやその背後で彼を操る死の商人にも決して突き崩すことができない状況だった。そしてその世論を一気に覆し、アメリカを第二次世界大戦の泥沼に一気に突き進ませたのは、誰あろうかつてハーバード大学に留学し、ディープステートの恩恵をたっぷりと受けていた日本人、海軍軍令部総長永野修身と連合艦隊司令長官山本五十六、その二人であった。