劇場公開日 2022年10月28日

「今この映画が作られた理由」アムステルダム kazmatさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今この映画が作られた理由

2022年11月3日
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“ケチョンケチョン”のレビューもあるけれど、やっぱりこの映画が今作られたのには理由がある、と思いたい。ヘミングウェイやフィッツジェラルドと同じ所謂ロスト·ジェネレーションに属する主人公達が、なけなしのプライドを奮い起こして、無節操な上流階級に戦いを挑むストーリー。そこから私は、混沌として先が見えない今の世の中、誰もが強い指導者を望むが、それよりも普通の人たちの正義感の方が意味がある、というメッセージを受け取った。
主人公の出自が半分ユダヤ系で半分アイリッシュ、奥さんの実家が典型的なWASP、みたいな設定も重要。タイトルは、頑迷なプロテスタント文化に縛られたアメリカ人の、コスモポリタニズムに溢れたヨーロッパへの憧憬の想いだろう、と。

なんて面倒臭いことを書きましたが、えっ?と意外な演技を見せてくれる俳優陣が素晴らしく、見応えがありました。マイク·マイヤーズがコメディを卒業するつもりなら、ちょっと寂しいけど。

kazmat