劇場公開日 2022年10月28日

「これぞまさに名作。こういうのが名作。」アムステルダム 今日は休館日さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これぞまさに名作。こういうのが名作。

2022年10月30日
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激しいアクションもなく、緻密なミステリーもなく、心に染みる感動もなく、あっと驚くどんでん返しもない。

けれども完璧に面白い。

基本的には台詞回しが心地よい淡々とした会話劇だが、豪華キャストが故、演技は骨太で、スクリーンはとても華やか。一人ひとりのキャラクター表現が見事。撮影技法的にも、挑戦的でとても新しい。これが作品のレベルをガッと引き上げている。美術や衣装も文句のつけようがない。

実話ベースということで社会的なメッセージも含まれるが、決してそれに頼らない物語としての完成度の高さ。添えられたメッセージは重くても、物語は軽妙。メッセージなんて気にしなくたって、ちゃんと面白い。

私自身もアクション映画もモンスター映画もアメコミ映画も好物だが、この映画を見て「刺激がなさすぎてつまらない」「何も起きずに退屈」という感想はあまりに寂しい。
社会批判としてどうなのか、というのは、メッセージに引っ張られ過ぎていて、物語そのものを楽しめてない印象。
脚本から撮影、演出、編集、美術、俳優陣の演技まで、みっちり作り込まれた、こういう映画こそが、まさに名作。豪華なキャスト、華やかな絵作り。偏屈なアート感や小難しい作品性をかもすこともなく、ちゃんとポップに作られてます。

文句のつけようがない出来栄え。
映画としてのジャンル、シリアス/コメディ、社会へのメッセージ性。そんなタグ付けは不要。

今日は休館日