「バットマンandハーレイ・クイン」アムステルダム サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
バットマンandハーレイ・クイン
ブレット・トレインぶりの洋画。約1ヶ月ぶりです。最近、洋画の公開が少なくて枯渇してたところに本作。超面白そうな予告と有り得ないほどの豪華キャスト。かなり期待していたのですが、想像通り見応えのある非常に面白い作品でした。
マーゴット・ロビーやらアニヤ・テイラー=ジョイやらラミ・マレックやらロバート・デ・ニーロやら、とんでもない役者が揃っていますけど、やっぱり主演のクリスチャン・ベールが郡抜いて凄い。憑依型だよね、この人は。いっつも、本当にベールだよね?って疑ってしまうくらい、キャラをお手の物にしている。今回は特に、振る舞いが尋常じゃない。まるでマリオネットに操られているかのような動き。何故だか、彼の演技と共に映画本体にぐんぐん引き込まれてたまりません。圧巻。
内容もしっかり詰まっていて、めちゃくちゃ噛みごたえのあるストーリー。これがほぼ実話っていうから、より興味が湧いちゃう。映画ファンが好みそうな作風だから万人受けはしないかもだけど、説明口調になり過ぎず、そして駆け足にもならないような、絶妙な調整が上手くて見ていて超楽しい。どんどん闇の奥へと踏み込んでいく感覚は、今まで味わったことの無い興奮と爽快感。展開も本当によく出来てます。
この情報過多で若干分かりにくいところがあるのも、本作に至ってはそれが気持ちいい。セリフの秀逸さ、演出の巧みさ、音楽の華麗さ。この手の映画が大好きな私にとって、ニヤニヤしてしまう演出がたんまり。キャラクター設定が天才的なのは言うまでもないが、3人の会話や空気感には飲み込まれてしまいそうな魅力がある。
コメディ部分があるためか退屈しなくて、しかも笑えるし、これぞあるべき姿のアメリカ映画!って感じ。ただ、正直パンチが足りない。コメディ色が強すぎたせいか、シリアスさが薄く、呆気ないラストと思えてしまうのが悲しい。うぉ...っていう終わり方が良かったのに、なんかそもそも音楽が小さくてしょんぼり。ラストが上手くできてたら、4.5で今月ベスト3候補だったのにな。でもまあ、結構大満足です。いい作品ですので、是非劇場で!