劇場公開日 2022年10月28日

「正直ややナメていた」アムステルダム TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0正直ややナメていた

2022年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭から込み入った状況に、癖のあるバート(クリスチャン・ベール)のナレーションで始まります。これはさぞかし世界観に入るのが難しいかな、と思って観ているといると、クールでストレートな物言いのハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)がテンポを上げることでどうやらペースがつかめてきます。
ある事件をきっかけに展開し始めるミステリーは、いい流れで「過去パート」が挟まれ、スムーズに事の全容を理解させてくれる編集は素晴らしい。
前半は割とオフビートなユーモアで、「なるほど、なかなか面白い」と正直ややナメていたことを思い知る中盤以降、よく出来た脚本は流石のデビッド・O・ラッセル監督です。そして後半、スリリングな展開と、胸熱な想い、そしてスピーチで夢中になること必至。観終わればとても面白かった印象です。
豪華出演者たちは皆、個性的なキャラクターを見事に演じ、観ている私たちをしっかり「感情移入」させてくれ、「豪華キャスト多数出演」の映画にありがちな「無駄な役どころ」や「無理のあるキャスティング」は一切ありません。
IMDbやRotten Tomatoesを見る限りではやや苦戦している感もある本作品ですが、来年3月のアカデミー賞まで届くのか?年明けの各前哨戦を注目です。
でも、ま、史実が基にあるだけに、「当時」を思いながら観ると、本作、今の時代に合わせてやや「綺麗」に作りすぎたかな、とも思ったり?
ま、私は脚本、編集と役者たちの演技に星4つを付けさせていただきます。

TWDera