「歌が素敵な記憶を呼び戻してくれる」アムステルダム talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
歌が素敵な記憶を呼び戻してくれる
とっても面白かった!舞台は第一次世界大戦とその後だがあまりにタイムリーで現在の世界そのまま。歴史は繰り返される。
退役軍人というと老人、圧力団体といったイメージが強いがこの映画の彼らは「復員兵」。戦闘の記憶も傷跡も生々しく大勢が後遺症に苦しみ治療を受けているまだ若い人々。大怪我をした傷病兵を山ほど見た看護士も仲間だ。そんな彼らを見るとウクライナ、ロシア、アフガニスタン、世界のあちこちの戦争と紛争で戦い傷ついた兵士とその家族を思う。「五人委員会」にいたっては今の日本じゃないですか?戦争は一番の金儲けチャンスとしている人達がどこにも居るのは昔も今も同じ。
衣装やアクセサリー(ネクタイ、帽子、スカーフ、靴全て)は時代の空気を纏い、アムステルダムのアトリエみたいな部屋で仲良く歌いダンスする三人からは友情は続くんだぞ!という思いが強く伝わってきた。ヴァレリーのアートはエッジが効いていてとてもいい。沢山の弾で作った作品は皮肉で悲しみで笑いで怪我をした兵士への愛だ。
クリスチャン・ベール適役!色んな工夫が楽しくてバットマンよりずっと素敵。ジョン・D・ワシントンは居てくれるだけで暖かさと優しさを醸し出す希有な人。マーゴットぴったり!男友達との友情を真っ直ぐに表現していた。アニヤ・テイラー=ジョイ売れっ子~!個性的で肝っ玉が据わっていてこの映画でも堂々としていた。デニーロに至ってはなにも言う必要がないほどの貫禄でいい役。登場人物全員が個性的で面白かった。そしてセリフも良かった。「必要だったから?それともあなたの選択?」どんな事柄・対象にも当てはまる表現だと思う。
エンドロールのアートやモノクロ撮影は美しく懐かしい感じがした。「アムステルダム」っていうタイトルもいい。アムステルダムには世界中から若い人達が沢山集まる。いろんな言語が通じる寛容の街。生き生きして面白いことが起こってずっと居たくなる街。笑えるシーンも沢山あって見てよかった映画でした。
telismanさん
きのうはありがとうございました。
最近、自分のレビューに自信を失くしていたのでtelismanさんから幾つもの同意を頂いた時は本当にうれしかったです。
少しびっくりしましたが。
これからも宜しくお願いします。
ワタクシ的にはIMAXの価値は無かったです。コレ、予算的にはハリウッド大作の部類に入るんだと思いますが、このネタで、ソコソコの予算作品だったらなら「好き」って言うと思いますw
talisman様
初めてお邪魔します。
すばらしい感想です。この作品は、話のまとまりがないというか、私は登場人物の名前がしっかり覚えられず、「今の会話は誰?」って感じで若干ついていけなかったのですが(苦笑)、今作の面白さや魅力をとても的確に書かれていて、とても嬉しく感じました。
>初めてヴァレリーのアートはエッジが効いていてとてもいい。沢山の弾で作った作品は皮肉で悲しみで笑いで怪我をした兵士への愛だ。
特にここのところ、共感します!今作のヴァレリー役は、私が見た中では最高のマーゴット・ロビーでしたが、まさにこういうキャラクターがとても魅力的でした。
歌もよかったです!
赤ヒゲでした。
コメントありがとうございます!
もっとシリアスで、重みのあるラストだったら、よりいい作品に仕上がってたんでしょうけどね〜。にしても、クリスチャン・ベール、最高でしたね笑