ジャズマンズ・ブルースのレビュー・感想・評価
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白人になりたくてもなれなかった黒人の悲劇。そんな風に感じてしまう。まぁ、ファンタジーだ。
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登場人物が多すぎる。それぞれの家庭がとても複雑なはずなのに、余りにもあっさりと描かれている。また、相関関係がめちゃくちゃ。差別する側の白人のキャラクター設定が余りにも単調。こんな鈍感で暴力だけの白人は、KKKでもいないと思う。KKKの構造は複雑で、暴力的であっても狡猾なはずだ。
時代設定も無視されている。黒人が第二次世界大戦に徴兵されたとは考えにくいし、無事に帰って来れる確率は低い。また、強制収容所に入れられたユダヤ人が無事に戻って、アメリカでプロモーターをやっていける確率はとても低い。
出来るだけ現実に近づけようとしているのは分かる。しかし、ユダヤ系のドイツ人は白人であり、黒人を食い物にしていた事がすっかり抜けている。
ジョージア州の人達は差別するがシカゴでは違う。そんなことは絶対に無い。
ミュージカル仕立てにしている努力は分かるが、途中の『スィングしなけりゃ意味がない』の編曲は完全に現代の編曲だ。また、『ブルース』と言いながら、ブルース感が醸し出されていない。それも編曲が現代風だからだと思う。
商業主義的映画で白人の監督だが『マンディンゴ』の方がしっかりと描かれていたと思う。残念ながら。
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