「子供も安心して見られるハッピー時代劇」大名倒産 せきれいさんの映画レビュー(感想・評価)
子供も安心して見られるハッピー時代劇
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時代劇にありがちな流血や生首が全く出ないのが長所。筋書きも分かりやすく、明るいコメディー映画で、低学年ぐらいから家族みんなで安心して見られるのではないか。
大雑把な筋書きとしては、江戸末期、莫大な借金を抱えた小藩。庶民として育った主人公が急に殿様になり、計画倒産の陰謀に巻き込まれてしまうが、持ち前の正義感と周囲の助けを武器に、財政の立て直しに奔走していく、といったところ。
俳優人が豪華で、演技力は申し分なし。日本のコメディドラマが好きな人は楽しめると思う。
問題は大人が面白いと感じるかどうか。とりあえず、コメディ寄りのお気楽フィクションなので、真面目な歴史ファンから良い点はつけてもらえそうにない。一般的な大人はどうだろうか。
当時の人が持ち得なかった価値観、知識を武器に、現代的な感覚で江戸社会の矛盾点をぶち壊していくのは、確かに爽快である。そして、そういう荒唐無稽な展開のリアリティの無さを誤魔化すのに、コメディ要素は最適である。
多少の歴史知識をかじった私としては、都合の良すぎる展開が多すぎて、子供っぽいと感じてしまった。笑えるか、という点についても、全てを笑いに振り切っている訳ではないので、腹を抱えて笑ったという印象はない。
頭を空っぽにして見られる普通のエンタメ作品、ということで、この点数にした。
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