「職人技の邦画時代劇・・・完成度に驚く」大名倒産 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
職人技の邦画時代劇・・・完成度に驚く
この時代劇映画、アイドルもお笑い芸人さんも(ヒコロヒー以外に)
足長のモデルさんも、殆ど出てないのです。
出演するのは真っ当な演技の出来る役者たちです。
まず前田哲監督のパーフェクトない仕事ぶりに拍手。
時代劇映画ながら難しい台詞は皆無。
分かり易過ぎるほど簡単明白・・・もう少し難しくてもいい位です。
それは原作が浅田次郎さんだからかな!
ただ不思議に思うのですけれど、前田哲監督の最近の作品、
「ロストケア」を観て思ったのですが、
複雑なプロットのしかも介護老人抹殺論みたいな微妙な問題を含む
内心で誰もが反対し切れない現実を白日に晒す問題作。
賛否両論ある映画です。
それなのに見終わった感想は、割り切れちゃう。
小数点の余りもない、ついでに言えばスッキリ完結しちゃって
余韻が残らない・・・そう感じるのは私だけかもしれないけれど、
完成度の高さが、あまり深い感動に至らない。
もやもやしないんです。割り切れちゃう、完結しちゃう。
この映画も江戸時代の藩主の、人を人とも思わない
(我が子でさえ駒の一つと捉える)
非情な計画を、主人公の小四郎(神木隆之介)が、
全く別の観点から打開してゆく痛快ストーリーです。
越後の国の100万石の藩主・松平一狐斎(佐藤浩市)は、
溜まりに溜まった借金が今のお金で100億円。
思いついた手が計画的に藩を倒産させる「大名倒産」
そしてその責任を、血のつながった息子で田舎に預けていた
小四郎に押し付けて、
しかも責任を取って彼を切腹させて一件落着を図ることを思い付く。
ところが小四郎は出費を削りに削って藩の再建に乗り出すとともに
財政難の原因を膨大な会計帳簿から見つけ出す。
部下たちも一丸となって帳簿の付け合わせをして、原因にたどり着く。
金貸しの天元屋(キムラ緑子)
老中の仁科摂津守(石橋蓮司)
それに原因を作った父親の松平一狐斎の共謀によるものだった。
透明で濁りのない小四郎。
そして幼馴染の頼もしい“さよ“演じるは杉咲花。
ラストなんか胸が空きます。
音楽(大友良英)もコミカルで明るくリズミカルに盛り上げます。
松山ケンイチや浅野忠信などの主役を張れる役者が脇に回り、
神木隆之介を盛り立てます。
終わってみれば、
楽しくて気楽に見れる娯楽作でした。
こんばんは♪、
コンフィデンスマンJpに共感コメントしていただきましてありがとうございました😊
が、
えらい長いコメント、と思ったら、↑ こちらのレビューをサンドしていましたよ。
本作も三浦春馬さん作品だと気づき遅まきながらレビュー、しかし最近観ていなかったので。何回も観てはいましたが🦁