「にしてもマイケル・ウォードの美丈夫っぷりときたら‥」エンパイア・オブ・ライト 魔球庵さんの映画レビュー(感想・評価)
にしてもマイケル・ウォードの美丈夫っぷりときたら‥
劇中トビー・ジョーンズ扮する映写技師が解説するように、映画とは決して画像自体が動くわけではなく、静止画を連続してスクリーン上に映しているに過ぎないから、静止画と静止画の間に必ず暗闇が発生する。しかし一秒間に24コマの静止画を連続投影することによってこの暗闇は消え、あたかも画像が動いているように見える。映画とは人間のこの錯視のメカニズムを利用することによって成立している。つまり我々は映画を観る際、その美しい光と同量の闇を観ることになる、或いは美しさとは闇の別名である、とか。さすがにこれは飛躍しすぎか。
この映画での80年代初頭の英国地方都市の映画館は、はからずもマージナルな立場に置かれた登場人物たちが集うシェルターの機能を呈していた。私のような不出来な人間もまた、自分の似姿としての映画に、これからも助けを求め続けることになるのだろうな。
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