「エンパイア劇場が素敵」エンパイア・オブ・ライト 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
エンパイア劇場が素敵
柔らかな音楽とともに、古くて格式のある劇場に順々に灯りがともっていく。このオープニングだけで、ぐっと期待が高まる。舞台となるエンパイア劇場が素敵。映像が、とりわけ夜のシーンが美しい。
しかし、これは好みの問題だが、主演のオリビア・コールマンに色気も魅力も感じられず、セックス依存のイタい中年女性としか見えなくて、感情移入できなかった。同僚たちもあまり真面目に働いているように見えなかったし。その中で、映写技師のノーマンはいい味を出していた。
「炎のランナー」や「チャンス」は、映画館で一人で映画を見始めた頃の作品。スペシャルズのツートーンスカも懐かしい。
エンパイア劇場のロケーションがあって成り立つ作品で、「映画」そのものより、今だからこそ「映画館」にスポットを当てた意図は理解できるだけに、残念。
コメントする