少女は卒業しないのレビュー・感想・評価
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余り心に響かない、イマイチな映画でした。
河合優美の大ファンで、傑作が多い彼女の出演映画を数多く観てきた私。
待望の彼女の初主演作!という事で、ワクワクしながら観に行きました。
ところが、映画が始まって暫くすると、妙な違和感が・・・。
どの場面も感情移入しにくいというか、その世界観に入り込めない。
色んなエピソードがどれも単調というか、地味で退屈してくるんですよ。
何だか安っぽいケータイ小説でも読まされてるような感じ。
朝井リョウの原作自体が、自分に合わないのだろうか。
登場人物は「卒業したくない。このままでいたい」という変な高校生ばかり。
それ自体が全く共感出来ないのも、一因かな。
河合優美をはじめとする俳優陣の演技は良いので、そこが救い。
しかし説明不足で視聴者が置いてけぼりみたいな部分も少なからず、
キャラクターの深掘りがされてないため、共感しにくいところも多い。
以下、少しネタバレ有りなので、未見の人は読まないでね・・・。
終わり近く、卒業式のイベントでのライブ。
人気の無いバンドのボーカル担当だった森崎が、ある事情で1人で歌う事に。
旧友の女子仲間が、森崎のアカペラがどれだけ凄いか、皆に思い知らせてやろう!とか言う。
ここがクライマックスの一つとしての設定。
どれだけ素晴らしい歌声を聴かせてくれるのか、と思っていたら・・・・
これが物凄い下手クソなんですよ。
『ダニーボーイ』を歌ってるのだけど、英語の発音もメチャクチャだし。
息も途切れ途切れの単なるド素人で、聴いてるのがキツいレベル。
しかし映画の中では、生徒達が皆で感動して、聴き入っているという設定。
そして、歌い終わると、生徒全員が拍手喝采。
「森崎、凄いよ!」だって。
何なの、これ・・・。
特に感動するような場面も少なく、余り心に響かないイマイチな映画でした。
低評価は余りしたくないのですが、忖度無しの正直レビューです。
群像恋愛劇
廃校による校舎取り壊し前最後の卒業式とその前日の僅か2日間に焦点を当てた群像劇。儚く美しい映像が印象的だった。
朝井リョウさんの映画作品っていつもグサグサくるのだが、今作はグサグサというよりは、卒業×別れという鉄板の組み合わせを描いた爽やか系群像劇。こういう爽やかで女性中心のストーリーも書けたのか、と驚愕。
山城・後藤・神田・作田。等身大の4人の少女たちが本当に素敵。子供っぽさと大人っぽさを併せ持つ、絶妙な年代ですね。自分はそうだなー、神田さんが一番タイプかな笑
これは是非映画館で集中して見て欲しい。朝井リョウさんの小説は実はまだ読んだことがなく、こちらも読みたい。
この脚色はスゴイ
映画らしい映画なんだよね。色んなエピソードを順番に少しずつ観せてきて、じっくりと進むの。
だから前半は少し退屈なところもあるの。前の人が途中で席を立ったけど、気持ちは分かる。
卒業式当日になって話が動き始めてから面白いんだよね。
エピソードが収まっていくし、「時系列いじってたのか!」っていう驚きもある。
河合優実と小野莉奈はやっぱりいいね。
「一番、難しい役どころは、やっぱり河合優実か」と思いながら観てたの。
登場人物の中で、一番友達になりたかったのは刹那四世だったな。
言うことがいちいち面白いよね。なのでラストが《ダニー・ボーイ》で締まるの良かった。
『森崎が歌えば全部に勝てるから』っていう小宮山莉渚の台詞が良かった。勝ち負けじゃないんだけど、高校時分だと、なんか勝ち負けで考えるなあって。あと「私の好きな人はスゴイんだぞ」って、なんか、好きな人はスーパーマンっぽく見えるよね。
刹那四世もスゴイと思うよ。普通に歌えば、みんなからの注目を浴びるって分かってるのに、それをしない。それで、自分のやりたいことをトコトン追求してるって、なかなかできないね。
エピソードが細切れに入ってくる高校生の話で、原作が朝井リョウだから「《桐島、部活やめるってよ》みたいだな」と思ったの。
「朝井リョウは高校生描くのうまいな」と思って、原作どんなだか読んだのね。そしたら、かなり違って驚いた。
あの原作を、この脚本に仕上げた中川駿はすごいよ。こんな脚色なかなかできない。
優しさと、さりげない気遣いが美しく昇華される二日間
たぶん校舎の老朽化や少子化なんかの影響で取り壊しになってしまう片田舎の高校の、卒業式前の二日間が舞台です。
彼氏の為に隠れて弁当作ってあげてる家庭的な女生徒、いかにもボッチそうな不登校寸前の女生徒、あと・・・軽音部の流行りの?歌わないボーカリスト(男子)と、それを取り巻く友人、先生の間の交流が実に自然な形で丁寧に描かれます。
卒業間際の二日で起こるドラマって何?・・・って当初疑問に思っていました。経験上、最後に起こることは卒業式の準備(済んでなければ)と、卒業式、あと卒業式後のクラスメイトとの最後のダラダラしかありませんから。私んとこは男子校だったので、最後のダラダラさえ虚しかったなあ、と悲しい記憶が蘇りました(笑)。
映画も実際そんな感じで進行していきますが、上記3人とそれに接する人々(クラスメイト、親友、部活の後輩、先生たちなど)の言動、対応の中に何かそれぞれ「ほんのちょっとだけ違和感」があることに気づくのですよ。
これが不審の種になって、後々最悪な場面に遭遇するのでは・・・と、終始不安な気持ちになりますが違いました。
それはむしろ「不安だったり、臆病だったりして一歩踏み出せない人を気遣って肩をそっと・・・時に強引に(笑)押してくれようとしたため」だと知った時、なんとも言えない優しい気持ちに包まれました。
しかも、優しさの表現の仕方が日本人的な、相手に気づかれないような控えめで繊細、そして自分が損な役回りでもあえてうける・・・ところが本当に美しかったです。
これぞ日本人の美徳、特に女子高生はキャピキャピしてるだけとちゃいました(笑)。
鑑賞後のみなさんは見落としがちな、このさりげない気遣いに何個気づかれましたかね?
派手さはないですが、大変良作でした。
ぜひご鑑賞を。
人生で1番濃い貴重な瞬間を追体験できた
卒業式当日の確実に春が近づいて新しいスタートがすぐそこまで迫っている時の香りを思い起こされた。
高校の卒業式の1日前から当日までの話。
様々な登場人物のそれぞれの悩みが描写される。
観る人は少なからず登場人物の誰かしらの悩みに共感ができるのではと思う。
自身の高校時代を改めて思い起こされされたし、あの頃はかけがえのない瞬間だったんだなと思わされられた。
それは作品全体を通じて、あの瞬間を意識して作ったからなのではと思う。
サナギが蝶になる瞬間を捉えた様な映画
もし人間が蝶だとするなら、孵化の瞬間って十八才の頃だと思うんです。
そして、その最たる二日間をこの映画は切り取ってました。
もっとも、中盤で二日間以外のシーンも挿し込まれていた事が分かるのですが、この見せ方は巧かったと思います。
少女四人、タイプは違うのにそれぞれに共感できる部分が有るんです。
少女だった事のない私でもそうなんだから、少女だった事の有る人ならもっと共感できるんじゃないかな。
それからこの映画、映像の明るさが良かったと思います。
キラキラとし過ぎてなくて、それでいて暖かい光を感じる様な映像なんです。
二日間に絞った事で天気を弄らなくて良かったからっていうのも、あるんでしょうけど。
あと、この映画良いなと思うシーンが結構有るんだけど、後藤と寺田の別れのシーン好きです。
あそこ、小野さんの雰囲気がそう感じさせるのか、少し大人な表情でしたね。さとうもかさんの「メルトビター」が似合う様な。
まさしく、大人になった瞬間ですね。
神田と森崎の二人乗りも好きだし、作田と坂口先生の本のやり取りも良かった。作田と沙知(?)、後藤と倉橋のやり取り、まなみに自然に寄り添う遥も良かった。
そして勿論、あの答辞のシーンも。
主要四人の少女を演じた役者さんも良かったし、彼女たちに関わる男性四人の役者も良かった。更にそれを取り巻く役者さんたちも良かった。
なので、役者さん何人か調べてみたの。
小西真由美・・・田畑志真さん
宮下遥・・・丸本凛さん
木村沙知・・・花坂椎南さん
岡田亜弓・・・瀧七海さん
倉橋洋子・・・坂口千晴さん
望月花・・・鶴田美月さん
ぜりぃふぃっしゅ・・・片耳にカラスムギさん
桜川智・・・林裕太さん
石川春樹・・・市来流星さん
原千亜希・・・瀬那美雲さん
渡邊郁美・・・美来美月さん
これから芽がでる役者さんたちかと思ったら、私が知らなかっただけで、もう芽が出だしてる役者さんたちなのですね。
大きな世界の中の小さな世界
卒業後校舎の取り壊しが決まっている地方の高校を舞台に、4人の少女の「卒業」をみせる話。
卒業式前日から始まって、東京の大学に進学することで彼氏と揉めている女子バスケ部長、変わり者扱いされている同級生男子に惹かれる軽音部長、人と話すことが苦手でいつも図書室で過ごして来た女子、卒業式の答辞を読むことがみんなが知ると空気が変わった何かを抱えている少女をみせていく。
自分が高校生だったのはもう30年以上前だし、当時からかなりドライなタイプだったし、東京出身だから上京云々も良く解らないけれど、高校生らしいそれしか知らない子達のそれが全ての、でも大人からみたら他愛のないやりとりが何だか懐かしくもあり爽やかでもありむず痒くて良い感じ。
そんな中でも答辞の少女は過去に何が?は結構早くに察しがつくし、映画としては全体的に波が少ないし、10代や20代の人と自分の様な世代の人には見え方がだいぶ違うだろう作品だった。
もう、大丈夫。
校舎の取り壊しを目前に控えたある地方高校で、最後の卒業式を迎える4人の少女の群像劇。
それぞれの想いを抱えた彼女たちは周りを巻き込みながら最後の2日間を過ごす。
ー私はさよならする。世界の全てだった学校とこの恋に。
朝井リョウの原作を実写化。
『カランコエの花』の衝撃が印象深い中川駿監督の商業映画デビュー作。
主演には河合優実、小野莉奈などの実力派若手俳優が脇を固め、主題歌はみゆなの『夢でも』。
この時点で自分の中での優勝を確信していたし、実際に優勝だった。
言葉にするのを躊躇いたくなるほど、良い良い良い。
なんともいえない余韻が素晴らしくて、近いうちにもう一度観に行こうと決めた。
卒業。
それは平等に与えられたターニングポイントだと思う。
4人はクラスメイトだがほとんど関わりがない。
同じ教室にいるのも疑ってしまうほど他人だ。
そして立場も性格も全く違う。
勿論、卒業に対する想いも違う。
ずっと卒業したくない者、早く卒業したい者、卒業を機に変わりたい者、変わりたくない者、上京する者、地元に残る者、進学する者、就職する者。
社交的な人にも教室に居場所がない人にも、みな平等に、ある意味残酷に、卒業の時はやってくる(留年とかは今回は除いて)。
卒業しなければならない。
そして彼女たちは進まなければならない。
そのためには大切ななにかを捨てなければならない。
この映画では卒業式前日と当日のたった2日間が描かれる。
しかもある一点を除いて、時間はそのまま進み無駄な回想や時系列の前後はない。ある一点を除いて。
進むしかない、時間は戻ってくれない。
楽しかったことも悲しかったことも戻らない。やり直したくてもあと1日しかない。
だからあの過去にもこの恋にも別れを告げるんだ。
どんなに嫌でも自分の気持ちに区切りをつけて次のステージに進む。
それを迫られるのが、卒業式というある意味残酷な儀式なのだ。
少女は卒業しない。少女だったあの頃の私はこの校舎とともにさよならする。少女だった私は永遠に卒業しない。
高校時代、私にはこんな青春はなかった。
特別仲の良い友達はいなかったし、勉強も運動も出来なかったから自分の中では割と暗黒時代で、出来れば思い出したくない。
でも今回、頑張って思い出しながら観ると、やはりこみあげるものがある。
どんな高校生活を送った人でもきっとあの中に自分がいるはず。
なんとなく卒業してしまったけれど、あの時この映画を観ていたら何か違ったのかなと思ったり思わなかったり。
地獄のアディショナルタイム、ものすごく分かる。
一緒に写真撮ったり寄せ書きしたりする相手もいないけれど、すぐ帰るのもなんか嫌だったから校内ウロウロしてたな。そのせいでとある事件が起きたんだけど、それは今回は割愛。
あと、結構イジられキャラで普通に評価されないってこともあったから、森崎の姿が本当にカッコよかった。自分もあれがやりたかったな。
たった2日の出来事、一人一人で見ればそんなにすごいたくさんの事があったわけではない。
でも、答辞を読む山城まなみの勇気に感化された、ただのクラスメイトだった4人の少女の物語が集まった時、この話が生まれた。
元々原作は短編集らしいが、それを結びつけて1つの映画を作り上げた監督に拍手。
カメラワークだとか細かい演出には彼女たちの日常を覗き見しているような臨場感がある。
セリフなどで直接的に語ることは一切なく、この2日間の彼女たちの様子だけで、これまでの3年間分の出来事をなんとなく観客に理解させるやり方はただただ上手いと感じた。
中川監督でなければここまで自分も入り込める作品になっていなかったと思う。
国連、願掛けフリースロー、Danny Boy、延滞本。
何度も泣かされた。
涙を流すのはただ悲しいからだけじゃない。
これは終わりの物語ではなく始まりの物語だ。
出会いがあれば別れがある。別れがあればまた新たな出会いがある。
とにかく観て欲しい。
映画館で映画が観たい、そう思ったならこれを観て欲しい。
どれを観ようか悩み前にまずこれを観て欲しい。
早くも今年ベスト最有力。おすすめ!
少女であった頃の自分をそこに残して、人は大人になってゆく。
卒業式を直前に迎えた四人の少女の青春群像劇。それぞれの二日間が描かれる。
進学を機に恋人と離れ離れになる由貴、中学からの同級生だった彼への淡い思いを抱く杏子、卒業を機に自分の殻を破ろうとする詩織、そして失った恋人への気持ちに踏ん切りをつけ前に進もうとするまなみ、それぞれの少女たちの心の揺れ動きが丁寧に描かれる。
全編通して若手女優さんたちの演技が少女期特有の揺れ動く気持ちを見事に表現していたし、演出も自然でまったく違和感がなかった。監督の演出力は確かなもので本作は青春映画の佳作といえる。
ちなみに個人的には終盤、森崎君のアカペラ歌いだしがちょっと微妙で、杏子が言う思い知ったかには程遠かった。これは大丈夫かいなと思ったが後半は持ち直したという感じ。でも掴みの歌いだしでグイっと心をつかんでほしかったかな。
落ち着いて衛生的に悩める今時の高校生。
もはやヤンキー、体罰教師、スポ根偏愛、受験重圧、イジメも無い(本当?)静謐清潔な学園で、
恋に友に進路に落ち着いて衛生的に悩める今の高校生が羨ましい。
櫻の、リンダ、桐島など同系名作群からエグ味と喜劇と喧騒を抜き切るトライは一応成功。
終盤モタつくが、支持。
中川監督×河合優美で期待大
丁寧に描くというのはこういう映画というべき秀逸な出来。何故、「しない」なのか?エンドロール中に問いかけてくる。
河合さんの答辞。しみますね。
等身大を描くための序盤の平淡からの変化が、4つの物語の彩りを深くさせた。
青春が詰まった120分
原作未読でしたが、評判が良かった印象だったので鑑賞。ただの「アオハル映画」ではなく、細かい感情変化にも意識した素晴らしい青春映画でした。
青春映画にありがちな「青春してるぜ!」って押し付けがましいものはなく、それぞれが「卒業」というものでひとつの「区切り」を迎えるというそのリアルの表現はなかなか難しいとは思いますが、うまく切り取れていたと思います。
しかし、内容に切り込むとすると、とある2箇所が気になってしまいました。
出演俳優の演技力が高い分(原作にはもしかしたら説明があったか否かは定かではないですが)気になってしまったのでそこが-0.5評価です。
とはいえ先述通り、俳優が「サマーフィルムにのって」の河合優美と「アルプススタンドのはしの方」の小野莉奈という青春映画御用達のキャストで、やっぱりこの2人の演技力たるや目を見張るものがありました。他の2人も初見でしたが上手かった。
しかし、上映が始まったばかりなのに地元の劇場が10人以下…名作なだけに勿体ないと思います。
皆様の「卒業」に思いを馳せながら観るのをオススメします。
恋するマルチバース惑星に慟哭させられた‼️❓
初め、見知らぬ人たちなので、いや、見分けがつかないので、楽しめるだろうか、理解できるだろうか、そんな不安がよぎる。
たちまち引き込まれる。
図書館ガールの淡い先生への恋心が控えめで好感度が高い、いや、恋してしまう。
軽音ガールも何か起こる予感、ミュージカルみたいな予感。
答辞の弁当ガールは幸福そうだが不穏な雰囲気。
心理学行きたいガールは喧嘩中でどうなるのか。
大きな不幸が一つ、でも、マルチバースが化学反応を起こして、感動して、慟哭、涙が止まらない。
紛らわしくて御免なさい、SFでも無く、ミステリーでも無く、日常の一部の切り取りなんだけど、感動して泣く、映画ファンでよかつた、つくづく思う映画でした。
弁当答辞ガールと図書館ガールの最後のシーンが最高でした。
図書館先生の控えめな演技も最高でした、将棋の羽生善治似てる。
最高の感動映画を🎞🎟🎟🎬是非
「卒業しない」は間違い、みな、卒業しています
映画を見ていたら自分の高校の卒業式を思い出してしまいました。卒業は1975年ですから48年前になります。だいぶ忘れてしまいましたが、それでも鮮明に覚えている場面はあります。途中から自分の思い出と重ねて見てしまいました。
そんなことができる秀作です。
ただし、題名は間違い
「卒業しない」ではなく、1名を除いてみな次のステップに進もうとしています。つまり「卒業」しています。
「題名の間違い」が減点
前半卒業あるあるだとおもっていたら
2023年劇場鑑賞45本目。
内容キャスト全く知らずに鑑賞。
知らない役者しかいないし(藤原季節は名前知ってるけど顔が一致せず)パッと見誰が主人公か分かりません。
卒業式前日から始まり、いくつかの物語が同時進行していきますが、どこの学校にもありそうな話が丁寧に語られていき、ドキュメンタリーでも見ている感覚になります。途中卒業式前日にしては違和感のある会話があり、当日になって色々動き始めます。後半結構泣きましたね〜。期待していませんでしたがめちゃくちゃいい作品でした。後味もいいですね。
卒業生代表の子は将来売れる女優さんになる気がします。
思ったとおりのこじんまりした世界だったけれど、喪がちゃんと描かれ...
思ったとおりのこじんまりした世界だったけれど、喪がちゃんと描かれているのは良かった。リョウ君は、高校時代に愛着があるんだろう。
図書館で先生が、本を交換してくれるのはよかった。
「そこだけの世界」を味わう
胸の中に置き去りにしてしまっているおもい
そんな時、人知れず揺れ動き続ける心
卒業式を明日に控えた4人の女子高校生もそうだった
それは、大切なひとへの忘れられない愛しさと哀しみだったり、すれ違ったまま離ればなれになる焦りだったり、密かに抱く複雑な感情だったり、静かに慕うおもいだったり…
それぞれのストーリーが桜の花びらのように淡く切なく、そして、どこかしなやかな強さを秘めながら舞う
…………
タイトル「少女は卒業しない」は、迫る時間を区切りにして彼女たちなりにもがき折り合いをつけつつ、自分のなかになにか大切なものをのこしていく(本能的に)ことを示すのだろうか
少女たちにとっての〝今〟は、見た目よりもまだかたくて甘くない果実をかじったときのように不本意だ
途方に暮れじれったさと困惑が積もれば、涙やため息は自然と増し、自分で自分を扱いにくいという不安定さはさらに空回りを起こす
とはいえ、大人になったって実は彼女たちと何ら変わらぬ狭間に漂うことは何度でもあるのだ
たぶんこれにゴールはないのかもしれないともおもう
でも、今だからわかる違いもある
それがどんなに眩しい記憶になる日々だったかを知らずに
そこにしかない果汁を味わうのはその時だけ
実は宝もののような感受性が対峙するその時だけ、ということ
120分の映像を前に、制服の感触や鞄の重み、校舎の匂いや黒板に書くチョークの音、体育館の空気、廊下のざわめき、みんなの表情や声が私の中にも徐々に蘇る
紛れもなく「そこだけの世界」にいたあの頃
そこで4人の少女が「ひとつの自分」を自分で越え少女から〝卒業〟=成長していく姿を母親のような気持ちでみつめるのかと思いきや…すっかり昔の自分を誰かのところどころに投影し、それを遠くからもう1人の私がみている感覚で観ていた
上着を抱きしめる頃には、そこにある温もりと香りを感じながら、少しのさみしさがたくさんの安らぎに包まれそれまでにはない何かに満たされたことに気づく
かなしいね、つらいね、わかりにくいね…でも、悩むことすらをどうか大切にしてみて…
そんなふうな言葉が浮かんできて気持ちはゆっくりと落ち着く
これもひょっとすると何かを置き去りにしてきた自分に対しての言葉だったのかも知れない
オレンジ色にゆっくり明るくなりかけた劇場で椅子がパタンパタンとなる音は、まるで〝私〟に戻る合図だった
朝井リョウさん…
あなたにはやっぱり何も隠せる気がしないよ
作品としては破綻なく秀逸。朝井リョウ原作らしさ。甘酸っぱい青春。だが【千輝くんが甘すぎる】と比して興行的に地味。
コレ、ある程度同年代の高校生、大学生専門学校高卒社会人の支持が欲しい興行。基本女性ね!むさ苦しい男子高校生はアテにできない。
しかし河合優実さんの健闘虚しく、非常に流れるような秀逸な作品なのに結果が追いついていない。高校生の小遣いではせいぜい月一回だろう、映画館に来れるのはねぇ
パンフレットは品がよく装丁も良い。
原作+脚本の妙で【わかる、わかる】的な快適作品。甘酸っぱい恋愛。喪失感。
しかし興行結果に結びついてないような・・
確かに駅から遠い映画館で金曜平日夕方だから仕方ない面もある
しかし、ワシも乗り出した船だ。来週の・・チギラ君 で ワシの爽やかレビュー【本人が思ってるだけという噂も】
で、文筆のみで敵、かたきは取ってやるぞ、本作の死に水も任せとけ・❗️
ペンは剣より✒️強しだ❗️【単に、おっさんジジイの私が「なのに、千輝くんが甘すぎる」単身でお金払って静かに鑑賞。パンフも購入して興行に貢献するだけです。誤解なきようお願いします🥺恥を忍んで・・】
つまり来週公開の【なのに、千輝ちぎら君が甘すぎる】
①イケメン、アイドル なにわ男子の高橋くん主演
②片思いごっこ、とか、【オレ専用のほっぺな❗️】とか現実離れした今風のウキウキ感
が、神々しく輝きすぎてて
対する本作が
①ジャニーズ系の今風イケメン・・有名なイケメン男子タレントを欠いている
②非常に現実的描写、オーソドックスすぎ
て今風の若い女子の心を鷲掴みまでは行っていない。
ワシも、映画館でお喋りに興じる、今風うるさい女子高生集団征伐にメラメラ燃えて🔥
本作に、万全の体制で、説教モードMAXで本作に臨んだのだが、完全に肩透かしであった。
ワシは堂々、定刻を過ぎて予告編後半に、胸を張って入場【虚勢とも言う】
したはずが、・・・なんと・・今年初の、観客ワシ1人だけ。180くらいの器に、ワシ1人
咳をしても独り・・・のリアル地獄・・マスクすらいらない、大声上げようと誰も反応するはずがない
スクリーンの責め苦、たった1人だけ地獄なのであった。
朝井リョウ原作の時系列を直線から平行線に変えて
若手新進気鋭の女優【なぜか主役レベル4人とも2000年生まれ】あっ❗️間違えた。
小宮山さんだけリアル世代2005年生まれ
必ず学園カースト、ヒエラルキーの上位に君臨する
バスケット部🏀、軽音楽部🎸🆚今はかえって希少価値で尊ばれる、図書館女子、料理女子
🆚というほどではないが
廃校寸前の学校の卒業式2日前
という状況ならば・・甘酸っぱい恋愛に💖決まってる。女子は間抜けな男子より優れてるから
恋愛、というか恋愛道も深いのだ❗️
群像劇だが流れるような快適な展開、同じ朝井リョウの【桐島、部活辞めるってよ】ほどの斬新さは無いが
オーソドックスナ快適作品。皆んな見て
森崎、最高だよ。
ここ数年「ここにも河合優実」と気づくほど、作品選びも良く、且つ本人が爪痕残す演技で最早「信頼」のおける彼女。初主演作品となれば観てみたいと思っていたら朝井リョウさん原作とのことで、これまた間違いないだろうと鑑賞を決めました。
ちなみに、中川駿監督は存じ上げなかったので過去作を確認すると、前作『カランコエの花』がAmazon Prime Videoにあり評価も高い。公開1週目のカリテは午前中回がなかったこともあり、公休だった本日、朝一にこの短編を前もって鑑賞しました。で、これが確かに良かった。特に終わり方が最高過ぎですが、うっかり「レコメンド」を有効にしたまま観るとこの演出が台無しなので、まだ観てない方は設定を無効にしてご覧ください(笑)。
話が脱線しましたが、、期待度をさらに上げつつ半年ぶりのシネマカリテへ。
鑑賞してみてまず言えるのは、河合さん主演とありますが「卒業式」という軸に対して、ある役割を担うまなみを演じることで「主演」という見方も出来ますが、基本的にはまなみ、由貴、杏子、詩織という4人の少女たちの群像劇です。「三者三様」(「四者四様」という言葉はありません)エピソードもいいしキャラクターにあった演技も素晴らしく、若者たちの真っすぐで感情の高まっていく様子にオジサンのバカになった涙腺が刺激されます(苦笑)。
勿論、男性陣のことだってちゃんと見てますよ(笑)。
まず、司書教諭・坂口役の藤原季節さん、いいですね。生徒に丁寧に「敬語」で接する感じがとても真摯で慈愛も感じる。詩織(呼称は「作田さん」)からの信頼も当然と思え、またちょっととぼけた感じもむしろ好感を覚えます。
そして、杏子が部長を務める軽音部の部員で杏子と同じ中学出身の森崎を演じる佐藤緋美さん。『ケイコ、目を澄ませて』でもケイコの弟役で存在感あり、とても素晴らしかったことが記憶に新しいですが、今作終盤におけるパフォーマンスは特に最高です。元々HIMI名義で音楽活動をしていますが、兎も角多くは語りません。まさに「映画を観てのお楽しみ」と言って過言のないシーンです。
と言うことで、中川駿監督、チェックインに入れて今後の作品をまた楽しみにしたいと思います。
【”何で卒業式があるのかな、ずっと楽しい世界に居られたのに・・。”人生の節目を迎え、未来への茫漠たる不安や、母校が廃校になる事への複雑な気持ちを抱える高校生男女達の姿を、写実的に描き出した作品。】
- ご存知の通り、中川駿監督は高校生男女が馴染みのなかった"LBGT"の思考を持つ級友の存在に気付き、戸惑いながらもその事実を徐々に受け入れて行く姿を人間性肯定の立場で鮮やかに描いた短編映画「カランコエの花」でデビューを飾った方である。今作品は彼の初長編と言う事で楽しみにしていた。-
◆感想
・今作は、卒業と自らの学び舎が廃校になるという不安定な雰囲気の中、群像劇要素を絡ませながら、写実的に進む。
・級友に溶け込めないまま、卒業を迎えた内向的な作田(中井友望)は、図書室と図書の優しい先生(藤原季節)のお陰で三年間を過ごして来た。
だが、卒業式の日に映画「キャリー」について少しだけ話をし、式が終わった後に、隣の女の子と卒業アルバムにメッセージをお互いに残す。"もっと早くから色々話たかったね!"
ー そして、嬉しそうに、多数の級友のメッセージを作田が図書の先生に見せるシーン。そして、彼女が生きる支えにしていた長年借りていた本を返した時に、先生が新たに彼女が買った本と、図書室の本を入れ替えて”これは、貴女が持っていてください。”とニッコリと笑うシーン。沁みたなあ。-
・東京に進学する後藤(小野莉奈)も付き合っていた男子学生が地元の小学校で先生になる夢があり、別れる事になった事に悩んでいる。
ー だが式の後、二人は軋轢を乗り越え、学校の校舎の屋上で花火を挙げるのである。-
・軽音楽部長の神田(小宮山莉渚)は、その歌声が好きだった森崎(佐藤緋美)への恋慕があるが、それを抑えて高校三年間を終えようとしている。だが、式の後の演奏会で、森崎のゴシックロックのエアーバンドがトリを務める事になり、彼女は一計を案じる。
ー そして、森崎は皆が見つめる中、独りでステージで伸びやかで、美しい声で”Danny Boy"を歌うのである。万雷の拍手。神田はその風景を見て、嬉しそうだ。そして、彼女は誰にも聞こえないように、けれど誇らしげに呟くのである。"漸く、分かったか!"-
・山城(河合優実)は、生徒会長でもないのに、答辞の大役を任される。そして、彼女と付き合っていた駿(窪塚愛流)との調理室での、山城が作って来たお弁当を食べるシーン。お弁当の中には、万国旗が入っていて、駿は食べ終わった後に、それを楽し気にロッカーの上に掲げる。
ー そして、卒業式。彼女は名前を呼ばれても、立ち上がらない。何故なら入場の際に駿の母が彼の写真を胸に抱いて涙している所を見てしまったから・・。
漸く登壇し、涙ながらに答辞を述べる。
その後、彼女はシャツ一枚の亡き駿に”見ているだけで寒そうだから・・。”と言い自らの服を着せる。駿は夏のある日、不慮の事故で学校内で転落死していたのだ・・。
此処も、作品構成として巧くて、観ていて心に響くシーンである。彼女が答辞を任されたのは、悲しみを抱えながら高校生活の最後半を過ごした彼女への先生方の配慮ではなかったか、と私は思った。-
<今作は未来への茫漠たる不安や、廃校になる母校への未練を残しつつ、卒業して行く女子高生4人の姿を中心に、彼女達の恋人達の姿を絡めて描いた青春映画の秀作である。又、邦画界に中川駿と言う俊英が現れた事実を素直に喜びたい。>
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