「ハードモード」ファミリア サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
ハードモード
少し笑えるほんわかドラマ、を想像していたら180度違った。かなり重い。そして、胸を締め付けられるほど悲しくなる。役所広司、吉沢亮、佐藤浩市などの名優の演技がグサグサと刺さりました。
毎回言ってる気がするけど、やっぱりすごいや、役所広司という俳優は。髪とか服装とかいっつも同じ感じなのに、なぜか毎回キャラが全然違うし、どれも役にドハマリしている。今回も最高で、色々とたまらなかった。吉沢亮との親子関係もグッド。気付かぬに思いっきり感情移入してしまいます。「銀河鉄道の父」が楽しみで仕方ない。
もっと丁寧かつ繊細で、各キャラクターの境遇がしっかりと描けていれば、すごく考えさせられる映画になったかと思う。こういう現状なんだなぁ、と辛い気持ちにはなったのだが、舞台が日本という気がどうもせず、あまり物語に親近感が感じられなかったのは残念。今の日本に向けてよいテーマだとは思うが、あともう一捻りかな。
国籍の違いやらなんやら、色んなエピソードがあるが、シンプルに家族愛、親子愛を描いた作品としてよく出来ている。役所広司演じる誠司がどんな過去を持っていたのかは明かされないが、息子に対する強い愛の気持ちはひしひしと伝わったし、あのシーンには久々に嗚咽泣きしてしまった。もうあれはやばいって...。他にも、ブラジル人同士、半グレの長の過去など、家族への各々の思いがしっかり詰まっている。辛くて辛くて、胸が苦しすぎました。
あと、要所要所で良かったところを挙げると、
・陶芸のシーンが嘘八百2ばりに凝っていた
・松重豊の役どころが最高すぎた
・役所広司×佐藤浩市は三谷幸喜が懐かしい
・みんな日本語上手
多分、もっといい映画になったと思う。
だけど、これ以上重いと見てられない、笑
色々と考えさせられる作品でした。公開終了間際だったけど、見れてよかった。