「いいさじ加減」ファミリア 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
いいさじ加減
クリックして本文を読む
キノフィルムズの映画といえば、軽妙なコメディ作品が多いが、珍しく性的描写や暴力的場面も盛り込まれたのが本作。ただ、過激というほどでもなく、嫌悪感を抱かせるほどではない。
むしろ、興行的側面を考え、ゴリゴリのメッセージムービーの要素を薄めるために織り交ぜた感じ。
後半部分になって、息子夫婦を国際テロリストに拘束された主人公(役所広司)が首相官邸に全財産を携えて乗り込んだり、それを義兄姉が一緒になって後押ししたり、主人公が自分を慕うブラジル人青年を追い込む半グレ集団のアジトに単身乗り込んだりとか、荒唐無稽に思える場面もあるが、これもエンタメ的側面と捉えれば許容範囲。
陶器作りのシーンを丹念に描いているのも好印象。
冒頭に登場する窯から立ち上がる炎の柱も、登場人物たち各々の熱い想いを象徴しているようでいい。
親子や人種、はたまた国際問題など色々なテーマを盛り込み過ぎてまとまりを欠いているという見方も出来るが、テンポの抑揚のつけ方が良く、うまく中和出来ている。
個人的には、MIYAVIの蹴りがヤクザキックじゃないスマートな感じでイメージを壊さず良かったかな。
コメントする