「「家族」の話のはずが「暴力」の話になってしまっている・・・」ファミリア tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「家族」の話のはずが「暴力」の話になってしまっている・・・
日本で半グレの暴力に苦しめられるブラジル人の姿が延々と描かれる一方で、アルジェリアでは、日本人がテロリストの暴力の犠牲になる。
「家族」の話かと思いきや、こんなにも「暴力」に満ちた、陰惨で重たい映画だとは思わなかった。
結局のところ、暴力には暴力で対抗するしかないのだろうが、いくら役所広司でも、半グレ集団のところに単身で乗り込んで行ったら、返り討ちに合うだけに違いない。そう思って見ていると、なるほど、そういうことだったか・・・
老人の、体を張ったケリのつけ方からは、否が応でも「グラン・トリノ」が思い起こされる。移民の子を救うというところも、テーマ的に重なっている。
こうした着地の仕方には、それなりに納得がいくものの、その一方で、あまりにもバイオレンス色が強過ぎて、肝心の「国籍や人種を越えて家族になる」という話が霞んでしまったのは悔やまれる。
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