劇場公開日 2023年1月6日

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「生きて行く者たちは人と繋がって」ファミリア ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5生きて行く者たちは人と繋がって

2022年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

小さな街で起こる多種多様の住人たちの「家族」の物語。
これでもかと広がった、境遇・出自・家族観など全く異なる登場人物たちが紡ぐ物語をどのような形で着地させるのだろう?試写会を観ながら先の展開が見えずハラハラ・ドキドキ、しかしそんな鑑賞者の心情など全く関係なく、辛く・切なく、そして悲しい方向へとストーリーは展開していきます。
そんなとっ散らかりようを豪華キャスト陣の濃厚な演技がカバーしてくれて、飽きることのない120分余りとなりました。
途中のシーンでブラジルからの移住者が「夢の国日本」へやってきたのに、と嘆きますが、日本からも「夢の国ブラジル」と思い込み、志を抱いて移民となった日本人もかつては大勢いたのだよなぁ、なんて感傷に浸る場面もありました。
ひたすら絶望し、暗澹たる気持ちで涙する中、常にポジティブ、笑顔で皆を率いてくれた吉沢亮さんが私の中ではMVP的に素敵でした。
試写会を観てのレビューなのでネタバレ的なことは書けません。
しかし、本作品のようなエンタメ要素に乏しい作品は上映館が少ないのが残念(全国でも100ほどの劇場だそうです)。
今、我が国が抱える問題から目を逸らさずに考える機会を映画から得たっていいじゃないかと思わされる作品でした。
脚本が良かった、それでもまだ掘り下げられる部分もあったよな、そんな風に感じられる良作だと思います。

ニコラス