「人に魅せられて、心と心が触れる時・・・」ちひろさん ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
人に魅せられて、心と心が触れる時・・・
ホラーやアクションみたいな、画面の派手な映画が好きな自分ですが、たまにこういう作品が無性に見たくなる。
元風俗嬢が港町のお弁当屋で働く話。そこに住んでいる人達との触れ合いを描く。
とにかく、主役の有村架純さんが良い!明るくて、可愛くて、セクシーで、ホンッと魅力的な女性を見せてくれます。
浮浪者に弁当を与え、お風呂までいれてあげる。
目の不自由な入院患者の女性を頻繁に見舞う。
母親が働きずめで、寂しい想いをしている小学生の相手をし、家族に息苦しさを感じるストーカー女子学生も温かく見守る。
風俗店の元店長や、同業者?の女友達、隠れ家で漫画に読みふける女子学生等、交際範囲も広いのに、どこか淋しさが漂う。
弟からの電話にはなかなか出ず、母親の葬儀にも立ち会わない。
どの登場人物も、こうじゃないかなって推測は出来るが、直接的な表現は示されない。この中途半端さもこの作品の魅力かもしれない。
それでいて、心の奥をズッシーンと突いてくる場面の数々・・・
鍵を失くして閉め出された小学生におにぎりを作っている女子学生。おそらく初めてであろうと思われる反抗。おにぎりを食べていたところに帰ってくる母親。招かれた家の中で
焼きそばをご馳走されるが、泣き出してしまう女子学生。
何故だろう?オヤジももらい泣きしちゃいました。
全編に何とも言えない雰囲気が漂う、心暖まる優しさに溢れた一本でした。
余談ですが、この作品を見てたら、なんか見た風景だなって懐かしさを感じました。まぁ、似たような港町なんて、よくあるもんだよなって思ってたんですが、エンドロールを見てビックリ。ロケ地が故郷の港町でした。
どおりで見覚えがあったわけだ・・・