「SFサスペンスの名を借りたブラック・コメディ・・・笑った者勝ち」デュアル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
SFサスペンスの名を借りたブラック・コメディ・・・笑った者勝ち
アメリカ映画となっているのに、北欧スリラーの雰囲気たっぷり。撮影場所が全編フィンランドということもあるかもしれないけど、ゆったりとした展開に主人公サラ以外もどことなく笑えるキャラばかり。そんなバカな!の連発だった。
オリジナルに対し、クローンを表す単語として「ダブル」が使われていたけど、ボディダブルを思い出せば納得。タイトルの「DUAL」にしても、決闘を意味する「DUEL」と対比させているのだろうか、ちょいとややこしい。replacementなんてそのまんま・・・死ぬ自分の代わり。
ストーリーとしてはバカバカしさも相まって決闘までの流れが面白くないのだけど、カレン・ギランのとぼけたような言動がとにかくおかしい。病気が発覚する前に、硬貨を飲み込んで吐き出す行為。何やってんだよ・・・てな感じ。
まぁ、もっと酷いキャラは彼女の診断をした女医さん。病名もハッキリ告げられないし、どうして治ったのかも不明のまま。そして決闘トレーナーのトレントの訓練内容も笑ってしまう(爆笑というより苦笑)。まずはグロいホラーを見せてグロ耐性を作ったり、基礎体力は帰ってからやれって、最初から真面目に見なくてよかった~てな感じ。
クローン人間の戦いは色々と描かれ続けているけど、どちらかに勝ってもらいたいと思わせないテーマは結構ある。まぁ、オリジナル中心だったから感情移入はオリジナルになっちゃうわけなんですが、クローンにだって人格はあるんだし。と、最近の邦画や日本製ドラマ(カズオイシグロ含む)はクローン側が主人公だったりするパターンが多いかな。
最後に結末についてですが、オリジナルとダブルのどちらが勝ったのかは不明瞭にしてあるところが潔いと思う。服装や車の運転だけみると、オリジナルが勝ったようにとれるけど、森の中での毒飲料水のシーンからはダブルが生き残ったように思えるからだ。カラコンについても言及してるし、決闘訓練の死因当てクイズでは毒殺だけが苦手だったオリジナルサラ。車の事故にしても、運転したことがなかったダブルならではの事故のように思えるのです。そんなこんなで、どちらが生き残っても悪夢を見続けることになるテーマが隠されていたのだと感じる。冒頭のテオ・ジェームスだって悔いを残していたし。
kossy様、コメントありがとうございます。私もkossy様のレビューを読んで色々思い出しました。
陰鬱なのはフィンランドだったからなんですね。まあこんな映画があってもいいかな。
今晩は
私は、今作は結構面白く鑑賞しましたね。(イロイロと突っ込みながら)
オリジナルとダブルという設定はありがちですが、結局二人は相まみえる事無く、ダブルの頭脳戦(というかズル)での勝ち。
一番怖かったのは、オリジナルではなくダブルに肩入れするオリジナルの母と恋人でしたね。では。