「そんなに女の裸が見たいのか?バカモン!先生は悲しいぞ」湯道 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
そんなに女の裸が見たいのか?バカモン!先生は悲しいぞ
2023年映画館鑑賞9作品目
3月5日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
監督は『GTO』『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』『HERO』シリーズ『本能寺ホテル』『マスカレード』シリーズ『劇場版ラジエーションハウス』の鈴木雅之
脚本は『おくりびと』の小山薫堂
不仲の兄弟を巡って銭湯「まるきん温泉」を続けるか続けないか右往左往する話
風呂好きが高じて二之湯薫明を師事し湯道にハマり自宅の風呂を檜に改装する夢を持つ男の話
男性諸君には残念なお知らせ
銭湯モノだが女の裸は全く出ない
男の裸だけ
だがそれがいい
正統派コメディー映画に女の裸はいらない
日活ロマンポルノとか『oh!透明人間』じゃないんだから
生殖器さえ出なければ男の裸はお茶漬けのようにさっぱりしていて良い
女の裸はカロリーが高くお腹がペコペコの晩御飯はいいが朝からはちょっとくどい感じの中華料理の炒め物のようなもの
映画『ビリーバーズ』に出演した北村優衣がヌードを披露するのだがそのとき自分は「いいね」「ありがとう」「あなたは素晴らしい」と歓迎ムードだった
しかし終盤にも素っ裸で登場した時は「もういいよ」とげんなり食傷気味
歳をとったんだなと実感した
だいたいにして女の裸なんて湯の道に反するわけ
女の裸なんか無くたって温泉とか銭湯とか十分楽しめる
湯上がりのビールなんて最高だね
それに気を抜いているときの女なんて男は見るもんじゃないよ
石田純一が子供の頃に忍者部隊月光の如く女湯を覗いたら「自分が知っている女とずいぶん違う」と複雑な気持ちになったという
風呂は覗かないが妹が2人いる自分はわかるような気がする
鼻もほじるしおしりが痒ければ掻くのである
生田斗真はすっかり全裸俳優が板についている
妻の分まで脱ぐんだという意気込みを感じる
久々に自分の部屋を開けたら見知らぬ女が着替えている
つくり話にはよくあることだ
実際なかなかそんなことはない
黒人はお笑い芸人かと思ったが歌が上手いのでクリス・ハートだとわかった
映画初出演がヌードって無名の新人女優みたいだね
窪田正孝が無駄にいい体してる
なかなかの腹筋だ
ウエンツの演じたDJがじつはスキンヘッドという設定は某サンタ映画の橋本環奈と同様に必要とは思えず全くの意味不明
あれは本当にスキンヘッドにしたんだろうか
「湯ないてっど」「湯どぅー」
駄洒落もグローバル化している
自分もこの冬はそれを意識してか「さみーさみーサミーデイビスJr」とこっそり独り言を繰り返し少しでも寒さを紛らわした
湯道のやりとりは伊丹十三監督の『タンポポ』を彷彿させた
聴衆が綺麗に移動するのもお見事
これは大人から子供まで楽しめるほのぼのとした娯楽映画だと思う
どんなことにも道はあるものだ
映画鑑賞にも道があるとすれば上映中トイレに行かないようあらかじめ上映前に行っておきたい
過度に物音を立て続けたり過度に喋り続けたりすることは人としても道から大きく外れているので注意される前にやめましょう
配役
実家の銭湯「まるきん温泉」を廃業しマンションを立てようと目論む東京に住んでいた建築士の三浦史朗に生田斗真
史朗の弟で長男である兄に代わり「まるきん温泉」を運営している三浦悟朗に濱田岳
「まるきん温泉」の従業員で凪子の孫の秋山いづみに橋本環奈
定年間近の郵便局員で退職金を注ぎ込み自宅の風呂を檜風呂に改装する夢がある風呂好きな横山正に小日向文世
「まるきん温泉」の常連客で1人で風呂に入って歌を歌うのが趣味の小林良子に天童よしみ
良子の息子で刑務所に服役していた小林竜太にクリス・ハート
「まるきん温泉」の常連客で料理屋「寿々屋」の店主の高橋大作に寺島進
「まるきん温泉」の常連客で大作の妻の高橋瑛子に戸田恵子
紗良の婚約者のアドリアンに厚切りジェイソン
紗良の父の山岡照幸に浅野和之
紗良の母の山岡由希子に堀内敬子
アンドリアンと婚約した山岡紗良に森カンナ
「まるきん温泉」の常連客の堀井豊に笹野高史
「まるきん温泉」の常連客で豊の妻の堀井貴子に吉行和子
アフロヘアーのカツラを被っているスキンヘッドのラジオDJのDJ FLOWにウエンツ瑛士
太田の編集担当者の植野悠希に朝日奈央
史朗が営む建築事務所で働いている細井幸恵に秋山ゆずき
温泉ホテルの支配人におかやまはじめ
眼鏡の入れ墨男に酒井敏也
不動産屋の荒井正章に梶原善
荒井の部下の鎌田一彦に大水洋介
正の妻の横山雅代に藤田朋子
正の次女の横山舞香に生見愛瑠
源泉かけ流し主義の風呂評論家の太田与一に吉田鋼太郎
薫明の内弟子の梶斎秋に窪田正孝
いずみの祖母で片田舎の茶屋を営んでいたが現在は廃業している秋山凪子に夏木マリ
440年以上の歴史を持つ「湯道」の家元の二之湯薫明に角野卓造
「まるきん温泉」の常連客で薫明の弟の風呂仙人に柄本明