「ちょっと足りない点も…」ブラックナイトパレード yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと足りない点も…
今年370本目(合計645本目/今月(2022年12月度)23本目)。
すでに多くの方が書かれている通りサンタさんを絡めたドタバタもの…と思いつつ、今のよくある社会問題化されているようなこと(いわゆる「読めない名前」系などの論点)も入っているのは確かです。とはいえ、このタイプの映画は好き好みはかなり分かれそうですね…。
予告でもちらっと出てくるコンビニ(「ローソン」でなく「ポーソン」になっている…)が「ある意味での」メインの進行どころだったりします(ここの回想シーンも存在する)。
その意味で、「若者のコンビニバイトでありがちなこと」は多く盛り込まれていて、それについては映画の最後で「コンビニ内での一連の行動は推奨されないものであることに注意しましょう」といった一文が流れます。そりゃそうでしょうね…。「その意味においては」ああいう「バイトで好ましくない行為」についての具体的例があり、「こういのは推奨されない」と書かれていたのはある意味(想定される「真の」年齢層を考えれば)良かったです。
ただ、この映画はそれ以上に「別の論点」があります。「クレジットカードは適正に利用・利用させましょう」「オンラインショップにアクセス可能なブラウザではペアレント管理をしましょう」といったことが何もないからです。
-------------------------------------------
(減点0.3/一部の描写が足りない)
・ 実際、映画内に出てくる「クレジットカードの話」はもっと深刻な話になりますので、これについての記述が欲しかったです。
-------------------------------------------
まぁ、程度の問題はあっても、「そりゃそんな店(サンタハウスが)労働基準法違反だろ」とか何とかというのまで突っ込みを入れるとマイナスになるので、そこらはノータッチにしています。
なお、クレジットカードの話については、実はあの主人公が20歳ちょっとであると思われるところ、20年前の描写も混ざっています。したがって、結構怪しくクレジットカードでものを購入している行為が本当に有効な行為となりうるか…は旧民法まで把握しないとわかりにくいです(まぁ、この映画でそういう法律を論じるのか…という考え方もあると思うけど)。
(参考/減点なし/クレジットカードの問題に関して)
・ 映画内では20年くらい前の出来事として描かれていて、当時と今とでは民法が3回以上変わっているので一概に論じにくいですが、「現在」起きた場合は次のようになるのではないかと思います(行政書士の資格持ちレベルでのお話)。
・ 意思無能力者(おおよそ9歳くらいまで、認知症、重度精神障害等)の行った法律行為は無効(3条の2)
↓
・ 無効な行為による原状回復の義務とその特例(121条の2(と、その2の3))
→ ただし、意思無能力者の場合、現に利益を受けている範囲に縮小される(特例)
→ 不当利得(703)の話にはならない(以前は不当利得の論点があった)
※ 旧民法では3の2(意思無能力者の行為は無効)がありませんでしたが、判例法理で認められていたもので明文化されています(主に、社会の動きに合わせ、認知症の方などを保護する趣旨)。