劇場公開日 2022年12月23日

「クリスマスとイケメン俳優…でもこれ、福田監督作品ですから!」ブラックナイトパレード おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0クリスマスとイケメン俳優…でもこれ、福田監督作品ですから!

2022年12月25日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

公開2日目の12/24に鑑賞してきました。まさにクリスマスにふさわしい本作ということで、馴染みの田舎の劇場もなかなかの客入りでした。子守を兼ねて甥っ子と姪っ子も連れて行きましたが、二人とも「楽しかった」と満足げでした。過度な期待をせず、この時期に軽い気持ちで鑑賞するには、よい作品なのではないでしょうか。だってこれ、福田雄一監督作品ですから。

ストーリーは、就活もままならず、恋人もなく、フリーターとしてコンビニ勤めを3年間続けている日野三春が、世間がクリスマスムードに包まれているある夜、黒いサンタ服の男に連れ去られ、北極にあるサンタクロースハウスという会社に勤めることになり、そこでクリスマスの裏で繰り広げられるサンタクロース関連の激務を知る中で、その会社に隠された秘密が明らかになっていくというもの。

鑑賞後の率直な感想としては、思ったよりもちゃんとストーリーがあったなあという感じです。序盤からすべり倒したシュールなやりとりを見せつけつつ舞台設定を整え、サンタクロースハウスの内情を楽しく理解させた前半のノリは嫌いじゃないです。そんな軽いノリから、裏に隠された秘密が明らかになり、前半に仕掛けた伏線を回収する後半という構成が、なかなかよかったです。ただ、敵対するネズミの存在がイマイチよくわからなくて少々もやもやしました。他にも気になるところがありましたが、この手の作品でそこをツッコむの野暮というものですね。

とにかく、福田監督作品ということを理解して、肩の力を抜いて、頭を空っぽにして臨めば、それなりに楽しめます。福田組常連の佐藤二朗さん、ムロツヨシさんの出番が控えめだったのは残念ですが、そのぶんは若手俳優陣が奮闘しています。橋本環奈さんは、本作でも見事な顔芸を披露し、もはや福田組に欠かせない看板女優の風格が漂います。また中川大志くんは、途中まで彼だと気がつかないほどのキャラ作りで、大河ドラマで全国民の涙を誘った畠山重忠役からの振り幅がハンパないです。そんな中、主演の吉沢亮くんは、冷静なツッコミもおもしろいし、熱演も伝わってくるのですが、まだ福田組の空気に溶け込んでないような気がして、そこは今後に期待といった感じです。

おじゃる