「俺ちょっとやらしい雰囲気にして来ます!」ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
俺ちょっとやらしい雰囲気にして来ます!
上映規模がとても小さいので、結果的に1回の上映にたくさん人が集まるので、少ない環境で観たい自分にとっては調整に調整を重ねてようやく行きました。
と貯めに貯めて行った今作なのですが、どうにもハマらず…。そんなに優しさって求めるものなのだろうかと思ってしまいました。
登場人物たちが全員優しいというか繊細というか、マジで脆いガラスみたいなので触れたら崩れてしまいそう、というか自分で弱いと思い込んでいるので、すぐに項垂れたり崩れてしまったりしています。
もちろんそういう人がいる事は知っていますし、深く考え込んでしまう気持ちも分かります。だけれども、自分が男だから傷つけてしまうという気持ちはよく分かりませんでした。生きていることが罪とまで思っていたらキリが無いですし、寧ろそういうことでウジウジして会話のできない方が傷つけているんじゃないかなと身勝手ながら考えてしまいました。
あと七森の行動の奇天烈さ、彼にとってはこれが普通なのかもしれませんが、その普通に共感できなかったです。好きという気持ちが分からない、友達としてしか見れないというのはまだ良いのですが、その断り方や、大学生になってからの雑な告白や、言動の一つ一つに顔を顰めるシーンが多いなど、どうにも自分が一番の人間の様に思えて仕方なかったです。
麦戸ちゃんは急に病んでしまいましたし、入れ替わる様に七森も病んでしまいましたが、自分の思い込みすぎで病んで迷惑をかけるとなると、優しすぎるんじゃなくて弱すぎるのでは無いかと思ってしまいました。ぬいぐるみサークルの面々の半分くらいが、どうやって今まで過ごして来たのか、そしてこれから社会に出てどうやって生きていくのか、心配で心配でたまりません。
ただ七森が気分一新に金髪に染めた事でその心配はどっかに飛んで行きました。お前大丈夫じゃん、その金髪で警戒されるとか考えなかったのか?と個人的には疑ってしまうところでした。
すごい現実的なことを思ってしまってのが、そもそもこのぬいぐるみサークルに経費って発生するのか?というところが引っかかってしまいました。ぬいぐるみに悩みを話しているだけと言ったらアレですが、それで経費が落ちるなら楽すぎませんか…。
白城ちゃんの言ってる事はとにかく共感しかなくて、特に厳しいのが当たり前というセリフはその通りとヘドバンする勢いで共感しました。そういう厳しさから逃れる作品というのは重々承知ですが、こういうセリフがあってまだ良かったなと思いました。
肌に合わない作品だったので、全体的に辛口になってしまいましたが、監督さんもまだまだ若い方ですし、様々な作品を撮られていくと思うのでゆったり追いかけていこうと思います。
鑑賞日 4/25
鑑賞時間 13:50〜15:45
座席 D-1