「それぞれの立場によって見方は変わるだろう。」The Son 息子 ゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの立場によって見方は変わるだろう。
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何よりも悲しい結末に父親の無念さは残り続けるのだろう、と思うと切ない。あの時こうしておけば、何度も思い直しては違う結末を願ってしまう。これは観る方もそれぞれの立場によって意見が変わるだろうと思う。母親の立場、父親の立場、息子の立場、新しい妻の立場。わたしは父親の不倫が重きをおく問題のように見えたとしても、それは一つの素因でしかないように思う。
この時期の思春期の子が病に侵されれば、失恋、友人との相違、進路、親との価値観、性に関してなどなど…あらゆることが発端になって発症してしまう。親や環境のせいにすることは簡単だけど、避けられない事態が起こることも人生にはあるのだから。しいて言うならば、私は医療者として「あの対応」はないのではないか?と疑問をもってしまったな。
親に説明を促す時にも、本場の精神科医はあそこまで「感情的」にはならない。あんな風に答えを性急にすることも不自然。信頼関係ない状態で大切な決断をせまらなければならないのであれば、もっと姿勢を低く、穏やかに話し合いに臨むだろう。目の前であんな風に息子を連れ去られれば、どんな親だってああいう決断をするだろうと悔やまれてならない。
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