「愛情は万能ではない」The Son 息子 jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
愛情は万能ではない
クリックして本文を読む
離婚から立ち直ることができず、元夫と息子に依存する母親、家族を捨てておきながらも、自分は良き父親であろうとする父親、それら全てを重荷に感じる繊細すぎる息子。
両親は自分が大丈夫ではないことに気づいていないため、大丈夫ではなくなった息子を助けることができない。
「この問題を解決するには愛では力不足だ」という精神科医の台詞は至極真っ当である。
しかし、泣き叫び哀願する息子の言葉よりも精神科医の進言に従うことができる親はほとんどいないのではないだろうか。
結末は残酷であり、後味の悪さが残る作品ではあるが、愛情の偉大さを描く作品が多数を占めるなか、繊細なテーマを取り上げた監督には賛辞を送りたい。
コメントする