「アルゼンチン留学時代に学んだ、軍事政権時代の権力構造に立ち向かった男たちの話」アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判 三上結香|映画好きキャリアウーマンさんの映画レビュー(感想・評価)
アルゼンチン留学時代に学んだ、軍事政権時代の権力構造に立ち向かった男たちの話
「Los ojos de secreto(瞳の奥の秘密)」という有名なアルゼンチン映画に出演している俳優リカルド・ダリンが主演を務めたドキュメンタリー映画。
ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映、アカデミー賞国際長編映画賞、ゴヤ賞、イベロアメリカ映画賞で、アルゼンチンの代表作として出品された。
アルゼンチンの軍事独裁政権に対して行われたリ臨時裁判模様。
検事たちはさまざまな脅しの中でも権力に屈しない若者を中心に仲間を作り、被害者の声を集め、軍事政権にて責任を追及し続けた。
フリオは家族に戦いを支えられ、相棒のルイスは家族が軍人一家であったことから非難を浴び、そんな中でも正義を貫いた姿勢がかっこいい。
アルゼンチンでは「Desaparecidos (失われた人々)」と言われ、3万人に及ぶ犠牲者がいたと授業で習った。どのように拉致され、どんな被害に遭ったのか、証人の言葉でようやくリアルになった。
民主主義国家としてこれからの未来を作るために「何が正しいか」を裁判を通して証明することがいかに重要だったかを感じさせる映画だった。日本で平和で幸せに暮らせていることに感謝したい。カンヌ映画祭へ向かう飛行機の中で見た映画の1つ。
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