アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判のレビュー・感想・評価
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証言者がいかに勇敢なのかがよく分かる作品
アルゼンチンの軍事政権の支配が終わった後、その軍部の非道な悪行をどう裁いたのかを克明に描く実話ベースの法廷劇。その時代、不当に逮捕・監禁・拷問された被害者は3万人にもなると言われていたが、政権中枢には軍の息のかかった人間がまだ残っているし、当時の政権支持者も市民の中にはいる。主人公は全国民が注目する裁判の検事となり、証人集めに奔走する。
副検事は、軍政権に近しい家の出で、軍を裁くことは家族に背くことでもある。主人公の検事の華族には脅迫電話もかかってきて、危険な状況に陥りながらも、2人は若いスタッフの助力で多数の証人を集めることに成功する。
映画のハイライトは、当事者たちの証言シーンだ。妨害も脅迫もある中で勇気をもって証言する人々の勇敢さを最大限称えるように描いている。再現シーンはないが、むしろ言葉だけで語られる所業は、軍政権の非道さを想像させて余りある。クライマックスの最終論告のスピーチは、法の下の平等をたからかに訴える名スピーチだ。
アルゼンチン留学時代に学んだ、軍事政権時代の権力構造に立ち向かった男たちの話
「Los ojos de secreto(瞳の奥の秘密)」という有名なアルゼンチン映画に出演している俳優リカルド・ダリンが主演を務めたドキュメンタリー映画。
ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映、アカデミー賞国際長編映画賞、ゴヤ賞、イベロアメリカ映画賞で、アルゼンチンの代表作として出品された。
アルゼンチンの軍事独裁政権に対して行われたリ臨時裁判模様。
検事たちはさまざまな脅しの中でも権力に屈しない若者を中心に仲間を作り、被害者の声を集め、軍事政権にて責任を追及し続けた。
フリオは家族に戦いを支えられ、相棒のルイスは家族が軍人一家であったことから非難を浴び、そんな中でも正義を貫いた姿勢がかっこいい。
アルゼンチンでは「Desaparecidos (失われた人々)」と言われ、3万人に及ぶ犠牲者がいたと授業で習った。どのように拉致され、どんな被害に遭ったのか、証人の言葉でようやくリアルになった。
民主主義国家としてこれからの未来を作るために「何が正しいか」を裁判を通して証明することがいかに重要だったかを感じさせる映画だった。日本で平和で幸せに暮らせていることに感謝したい。カンヌ映画祭へ向かう飛行機の中で見た映画の1つ。
一瞬も気が緩むことがない社会派作品
1985年にアルゼンチンで行われた軍事政権の弾圧を訴える裁判。
このような海外の歴史的出来事を知るための映画は勉強になります。
凄いことが世界中では行われていることを改めて思い知りました。
検事、副検事、周りの若い職員の根気強さ、勇気に拍手です。
脅迫、身の危険がある中、強い信念でやり抜きました。
社会派作品で一瞬も気が緩むところもない作品ですが
最後まで引き込まれました。
アルゼンチンの映画なのに、タンゴは2回だけ。
しかも、インタビューのTV番組のオープニングでサラッと。あと、音楽つながりでいうと、軍事政権の名残なのか、指名された検事が大音量で聴くクラシックはワーグナー。当時の幹部をファシストと呼ぶ割には、自身も?と訝ってしまった。
元軍事政権幹部の目に留まるように、すべての国際線の機内で観れるようにすると良いのに。
難しい…
歴史的な裁判を描く事実に基づく物語。
アルゼンチンの歴史に関する知識が無さすぎて、お話についていくのが物凄く大変。正直全然分かってないと思います…。
作品としてもシリアスで真面目一色でエンタメ的な要素はほぼなく、はっきり言って面白くはありません。
それでも、主人公が背負う重責や、周囲の人々のサポートの過酷さ、裁判で証言台に立つ人々の覚悟などが真摯に伝わり、最後の裁判シーンは当時の映像も併せて描かれたことも相まって胸に響きました。
こんな戦いの歴史があったことを知ることが出来て良かったです。
民主主義
軍事政権が増えている今だからこそ、勇気が湧くそんな映画に会えた。
現実の話をベースに映画化した作品、正義、熱意、努力がこんなに結果に結びつくとは。
弁論の最後の結びが、二度と再び。。
実話に基づくだけ感動が大きかった。淡々と、脅しに屈せず立ち向かう...
実話に基づくだけ感動が大きかった。淡々と、脅しに屈せず立ち向かう検事、素晴らしかった。証言のリアリティに震えた。
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